◆第五章◆ 決戦(5)
周りにはホークとダーレス、そしてハンター各隊のリーダーが集まっていた。
決行を明日に控え、作戦の最終確認をするためだ。
ディーンは酒樽の上に遺跡の地図を広げる。
作戦はこうだ。
まずはハンターの二班が偵察隊として先行。隊商周辺の安全確認を行う。
次に自警団が進行。隊商の回収作業に取り掛かる。偵察隊はそのまま自警団の護衛へとシフトする。
その間に残る九つの班と突入役であるディーンとホークが城門から遺跡内へ入る。回収と突入を同時展開するのには、機構獣の注意を自警団から逸らす狙いもある。一行は最短距離で大神殿を目指す。進軍と共に各班は順次その場に残り、退路の確保をしつつ、機構獣を足止めし戦力の分散を狙う。
こうして八つの班は城門から神殿までの間に展開、残る一班は神殿入り口にてディーンとホークのサポートを行う。以降は各班任務を続行。その間にディーンとホークで
「作業が終わり次第、自警団は護衛班と共に安全な場所まで退避してくれ。その後、護衛班は状況に応じて各所への増援を頼む」
ディーンの言葉にダーレスとハンターたちが頷く。
「遺跡内の各班はアタシたちが戻るまで、機構獣を引きつけて戦力を削ってくれ。だが、自分たちの退路を断たれる事だけは避けて欲しい。無理せずに一旦後退することも選択肢に入れておいてくれ」
「おうよ」「任せときな」と数人の男が応じる。
「もしも――突入から一時間たってもアタシたちが戻らない場合は撤収してくれ。恐らく弾薬も尽き始める頃合だ。指揮はアンタに任せる」
「わかった。だが俺の出番はないと信じてるぜ。社交辞令として受け取っておく」
にやりと笑ってみせ、リーダー格の男はそう返す。
「ベテランらしいコメントだな。ああ。アタシだってそのつもりさ」
そう言ってディーンも笑みをみせた。
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