第11話 それでもやっぱり心配だから

「え……ジーラも?」


 あれから一晩明け、朝日が昇ってしばらくしてからの頃。

 本日の夕方より予定しているルシウス達との約束もあり、後はまぁ面倒ではあるのだが一応は彼ら3名に限って授業を持つのを約束してしまった関係もあり、さぁそろそろ帰ろうかと思った所で知らされたのは、あのジーラも同伴すると言う話だ。

 そもそも、元々としてジーラはそこまで子供が好きな訳でもなければ人の目線が多い所も苦手なはずだ。

 何なら髪色が日光をよく反射する綺麗な白銀である事もあり、俺と同じようにかなり長い事もあって女性と間違えられる事も多く、その関係もあってフードを外す事も珍しい。


 ……まぁ、俺は日光に弱いからって理由でフード被ってるけど。


 俺も人の事を言えるたちではないのだが、オッドアイの俺も然り、世にも美しい金色の瞳を持つジーラの瞳は髪が銀。肌が雪のように白い関係もあって、更に引き立って目を惹いてしまうのだ。


「えぇ。あの子達の特訓でしょう? ……私、興味あるの。でも、ティアちゃんからの視点だけじゃなくて、ど~しても他の視点も欲しくってね。」

「……宜しいのですか、本当に。」

「えぇ、面白そうでしょう?」

「……貴方がそう仰せとあらば俺は何も言いません。」


 さっ、と魔法で血が酸化したかのような、紅黒の長髪を短髪に見えるように操作し、折角なのでまぁシャルから貰ったスーツも羽織り。一応性別操作をしているので今回はブーツではなく革靴だ。


 まぁ似合ってはくれている、か。


 コンコンコンッ。


「どうぞ~?」

「……陛下。ティア。」

「ああ、待たせたな。……直ぐ行ける。」

「じゃあ行こう。陛下、また夜に。」

「また夜に。」

「うん。じゃあ、行ってらっしゃ~い。」

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