その3 迷いの3月初旬

2月27日(木)夕方

ハノイ市、ホーチミン市、学校の再開時期について保護者から意見聴取指示。

週明け3月2日、16日、4月上旬の再開についてのコメントを求める。

もちろん意見聴取は形だけのことで、すでに方針は決まっていたはずだけれど、形だけでも「当事者の意見」を確認するプロセスを踏むところが、ベトナム的。社会主義ということだと思われる。


いずれにしても、意見聴取などの結果、ハノイにおける学校再開時期は、3月9日となる。

ちなみに学校の再開を決める権限について、小中高(幼稚園を含む)は市政府、大学は各大学ということになっている。


2月28日

翌日0時からの韓国人に対するビザ免除停止。

やばい国から入国する人は、全員14日間の隔離。この辺からしばらくレジデンス内などで韓国人を見なくなる(自宅軟禁状態)。


同日

ベトナム国家大学ハノイ校、3月2日からの学校再開を決定

ただし、外国教員(日中韓)の渡航は認めない。


同日

アメリカの疾病予防管理センターが、ベトナムを「市中感染のリスクがある地」から除外。この時点で、ベトナムの取り組みは日本に完全勝利したことになる。

ちなみにこの時点で、「市中感染しとる」のが中国、韓国、日本、イタリア、イラン。それからベトナムが除外された「リスクがある」ところが台湾、シンガポール、タイ。


2月29日(土)

ハノイ日本人学校、3月4日からの再開決定。

ホーチミンの日本人学校は、さらに15日まで休校延長だったので、「ハノイには、ベトナム支社長とか大使館の偉い人が多いから、圧力が強いんだ」と、日本人の中で話題になる。が、まずはとりあえず安堵である。

ちなみにこの週末は、少年野球は開催されていた。

あと、14日間の自主隔離が求められることになり、旧正月休暇で一時帰国し、休校だと聞いて日本に留まってた何人かが、しばらく学校に通えなくなる。この自主隔離は、政治的な決定ではないと思われるが、なんかみんなしていた。


3月2日

北部で雹が降る。

ハノイ周辺は、3月に入っても肌寒い日が続いていた。この点、みなのマスク着用や、「ステイホーム」がはかどった理由の一つだと思われる。寒いとみんな出歩かない。


同日

ベトナム航空の3月下旬の航空便、出発時間が午前0時台から午前2時台になる。

機内消毒のためだそうな。ねむ。。


3月3日

この日の0時から、イタリア人に対するビザ免除停止。

ベトナム航空、5日から韓国とベトナム間の全路線運休を決定。

なお、すでに大半の韓国便は止まっていて、最後まで飛行を続けてきたのは、格安航空のベトジェットで、こっちも7日から運休となった。

進出する韓国企業は数多いし、KPOP、韓流映画ドラマに親しんでいるベトナムなので、韓国の状況は、かなり注視されていたように感じる


3月4日(水)

ハノイ日本人学校再開。

しかし、地元の学校はもちろんイギリス系、アメリカ系、韓国系、オーストラリア系のインターナショナル学校は軒並みこの週いっぱいか、翌週まで休みとなっていて、不穏。


同日

カンボジア発、ホーチミン経由名古屋行きの日本人が、コロナ感染発覚。

しゃーないとはいえ、殺意を覚える。


同日

2月半ばから封鎖されていたソンロイ村が解放。


3月6日

入国者全員に、健康状態の申告義務付け。

この時期に入国した日本人情報だと、申告といっても、用紙に記入するだけで、入管ではチェックもされなかったらしい。ただし、あとで滞在先に直接警察が訪問し、状況を確認されたという人もいたとか。怖え。


3月7日

第17の感染者確認。

おそれていた事態がついに起きる。イタリア、パリ、ロンドンを楽しんでビジネスクラスで帰国したというベトナム女性が感染。この女、イギリスパスポートも持つセレブらしいぞと、日本人社会からも憎悪を浴びる。なおこの女性は、伯母と専属運転手、家政婦にも感染を広げる。

その後、このセレブリティとは関係なしの感染者が増えるので、バッシングは沈静化する、と思いきや、その後出現する、この17番目の友人で、32番目の感染者になる女性が、このセレブと同じロンドンで感染し、プライベートジェットで帰国するという荒技をかましたため、さすがに騒ぎになる。

今にして思えば、これがヨーロッパ経由の「第二波」か。

ちなみに、この17番目はハノイ市民であって、ハノイ騒然。

スーパーから一時的に生鮮食品が無くなる。

(でもCitiマートというイオン系列のスーパーでは、トイレットペーパーなどは山積みされていた。日本での報道を見て、準備ができていたのだと思われる)


3月9日

ハノイ日本人学校はこの日から再び休校。

3月は、つまるところ4日からの3日間だけであった。

そしてこの日、一気に10名の陽性確認。

このあたりからベトナムは一気に強硬策を取り始めて、感染者の、濃厚接触者の接触者の接触者レベルにまで、自主隔離を求めるようになる。

また、外国人が多く滞在しているホテルのドアマンが、外国人からのコロナ感染を恐れるあまり、退職して地元に逃げ帰ったという話も聞かれるようになる。

近所の床屋も一時的に店を閉めるなど、もはや学校再開どころではなくなる。


3月12日

国家大学、今学期の講義については、すべてオンライン講義とする決定を下す。

あわせて、従来オンラインはあくまでも正規の授業の補足という位置づけで、「オンライン講義のみで単位を出す」ことを認めていなかったが、法律を改正。

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