イラストの依頼

文「やっぱりな・・・」


絵「どうしたの?」


文「表紙絵があるかないかでPVがちがう」


絵「・・・かもね」


文「やっぱビジュアルに弱いよね」


絵「そりゃ、日本人だからね」


文「アニメ、マンガがあふれてるからね」


絵「文章からキャラクターを想像するなんて今の子はしないだろうね」


文「かなしいな・・・10人読んだら10人主人公のイメージができあがるのが小説なんだけど」


絵「それは上手にキャラクター描写を文章でできたらの話でしょう?」


文「ですね」


絵「最初あなたが私にイラストを依頼したの覚えてる?」


文「覚えてる・・・忘れて」


絵「無理だね・・・あれは」


文「絵を描いてってSNSのDMで送った」


絵「そ、それで私が何の絵ですか?って」


文「当然、キャラクターデザインを書いてくれるものだと思っていたから」


絵「なんの?ってなるでしょうSNSのアイコンなのか表紙なのか挿絵なのかキャラクターデザインなのか、投稿小説だとしてもどの話の誰?ってなる」


文「だよね」


絵「それに用途で縦か横か違うし画素数とか、モノクロかカラーでも全然ちがうからね」


文「いや、そんなの知らないから」


絵「だろうね」


文「値段だってそんなにすると思ってないし」


絵「その時は常識的な値段を言っただけだけどね」


文「最低5000円から、10000円くらい出せる?って」


絵「いくらだと思ってた?」


文「ん?3000円くらいかな?時給1000円で3時間くらいでささっと」


絵「イラストレーターをバカにしてるよね、私は副業だからその価格だけどプロはその10倍くらいかもね」


文「いまはそんなことないけどね・・・そんなに?」


絵「まぁ人によると思うけど私のイメージだと基本技術料金が安くて3500で相手の小説を読んだりイメージを確認したりする時間も必要だし、時間単価が1500くらいからかな」


文「それで5000円~か」


絵「私の普段の絵がそのくらいってだけで、あなたが30分で線画描いて30分で色塗ったらどんなレベル?」


文「は?・・・まだ人になれないかもね」


絵「ごめん、次元が違った」


文「絵を描く人はそうでしょうね」


絵「人によって時間のかけかたがちがうけど、それ以下の値段を提示してあると何が出てくるか怪しいし」


文「たしかに、まぁそうかもね」


絵「あなた最初、私の小説よんでイメージで描いてって言ってきたでしょう?」


文「・・・はい」


絵「それでスケッチしたら違うって」


文「・・・はい」


絵「イメージのキャラクターの画像をメールでよこせって言ったら全然イメージと違ってたし」


文「でしょうね」


絵「そのあとキャラ描写書き直したでしょう?」


文「ですね」


絵「一番ひどいのが文章トリックで人物描写が一切ないけど話のイメージでって」


文「あったね」


絵「てきとうに書いたら気に入ってたでしょ」


文「へへへ」


絵「それに、基本的にアナログで線画を描いてるから描き直せない、イメージを依頼者に確認してやり直しはしたくないでしょう」


文「そっか・・・時間単価が無駄に増えるか」


絵「それに配色もあいまいだったし」


文「髪と目と肌の色、服の色」


絵「そ、あと問題なのが色の濃さ、配色した段階で確認してるでしょう?」


文「いつもの感じで淡いのがいいからね」


絵「お任せが一番こまる」


文「ですよね」


絵「まぁ、何回も依頼されたらなんとなくわかるようになったけどね」


文「でしょうね」


絵「でもまぁ、絵のテーマをもらったり、私の絵で話を描いてもらったりしてるからね」


文「そういってくれると助かる」


絵「それで」


文「ん?」


絵「次は何を描けばいいの?」


文「このキャラクターなんだけどね」

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