浅い絆

文「聞いてもいい?」


絵「・・・どうぞ」


文「この前見た映画覚えてる?」


絵「え・・・っと」


文「出会った男女が相手の為に命がけで」


絵「どれ?」


文「え?」


絵「そんなんばっかじゃん」


文「・・・そうか・・・そうかもね・・・先月見たやつ」


絵「あれか・・・なんか・・・いまいちなんだよね」


文「ん?どこが?」


絵「ストーリーというか二人の関係」


文「というと?」


絵「最初の45分くらいで出会って行動を共にするでしょう?」


文「そのあと30分くらいで問題が起きて」


絵「相手のために命をかける」


文「そんな感じだね」


絵「家族とか、夫婦、恋人、幼馴染ならなんとなくわかるけどさ」


文「そりゃね」


絵「あったばかりの2人が相手のために命かける?」


文「あ・・・どうだろ」


絵「助けてあげて、それを口実にいいよるとか」


文「まぁ・・・動機にはなるけど・・・」


絵「そうじゃなきゃ、たぶん、この人とは縁がなかったんだろうなって終わる」


文「・・・かな」


絵「話しを造るためになんか無理やり感がすごいんだよね、恋人にお金貸してって言われたら貸す?」


文「それは・・・考えるかな」


絵「ね?そんなレベルでしょう?」


文「ですね」


絵「それで?」


文「今書いている話でねさらわれた子を取り返しにいくんだけど」


絵「その子にそれだけの価値がある?」


文「それがね・・・それなりになんだよね」


絵「やっぱり、夫婦、親子、兄弟くらいか何か特別な関係が欲しいね」


文「特別な関係ね・・・」


絵「お金で雇われたボデーガードとかは?」


文「確かに守れなかったら立場がないか・・・でも設定がな・・・」


絵「ファンタジーなら簡単でしょう?」


文「姫を守る騎士とか?」


絵「まぁ・・・そんなんかな」


文「やっぱりそうでもないと下心がないとないか・・・」


絵「そんな感じだね」


文「あとは相手じゃなくて起こった事件にかかわっているかかな」


絵「あぁ・・・そのほうがまともな話に聞こえる」


文「そのほうがいいね」


絵「だと思うけどね・・・そういえばさ」


文「ん?」


絵「あなたの短編小説で切なくなる話ってある?」


文「どんな?」


絵「いい話なんだけど、かわいそうで、読まなきゃよかったなって思うようなそんな話し」


文「それなら・・・これは?」


絵「どれどれ」


文「え?今読むの?」


絵「だめ?」


文「目の前で読めれるのは」


絵「あなただって私の絵目の前で見るでしょう?」


文「そりゃ・・・」


絵「こんな話が読みたいって思っても探すのめんどくさいんだよね」


文「・・・そうだね、読みたい話がなかったら自分で書くか・・・ってなるし」


絵「そっか・・・そうだね」


文「ん?」


絵「いやね、私も絵を描き始めた時に自分が見たい絵がないから自分で描けばいいかって」


文「ははは、君らしいね」


絵「その言葉はそのまま返すよ」

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