第1章

第1話 OVERTURE

 まだ春と呼ぶには、早いと感じる今日この頃。快晴の朝、僕は緊張した面持ちで校門をくぐる。


 僕を待っている未来は何色に輝いているのだろうか。どんな色だっていい。だって、その色はこれからの僕自身が作っていくんだから。どんな色だって輝いているはずだ。今はまさに無限の色が広がっている。


 新しい学び舎。新しい先生。新しいクラス。新しい友達。新鮮でドキドキワクワクすることばかりだ。


 中学時代、教室の窓から覗き込むたびに飽き飽きとしていた青空が今は輝いて見える。


 当然、不安だってある。勉強についていけなかったらどうしようだとか。人間関係を上手く築いていけるのだろうかとか。どういった進路を歩んでいこうかだとか。常に不安はつきものだ。


 でも、不安以上にドキドキワクワクする毎日が僕を待っている。たとえ失敗してもそんなのは人生のスパイス。不安なんて考えずに「今」を充実させていこう。


 白紙の未来に僕だけの色を描いていこう。


 これからが、スタートだ。

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