空にすら匂う地上の死と生の対比、そして最後の一文が素敵です。
高度にデジタル化された現代の空戦と違い、昔の空には騎士道めいたものを夢見てしまうのですが、当然そこには切迫した生への渇望と死の予感もまた存在するのだ、というのを改めて思いました。
濃色された人間ドラマが、文字数以上の質量を感じさせます。
作者からの返信
感想ありがとうございます!
この作品は「西部戦線異状なし」や「ブラッカムの爆撃機」「紅の豚」に影響を受けた作品です。勿論、複葉機やレシプロ機の時代の空戦には私も騎士道的なロマンを感じますが、敢えて今回はそれを封印し、戦争の中に生きた名もなき個人の生への渇望を描きたいと思っていました。泥と反吐の中で生きたいと願う人間の様は根源的なものだと思っています。
正に私の表現したかったことを理解してくださり重ねてありがとうございます!
はじめまして。
自主企画「SF/Speculative Fiction.」でお見かけして、プロフィール欄にロバート・ウェストールとあるのに興味を惹かれまして、こちらの「Bygone days」を拝見しました。
登場人物の名前の「意味」に気づいて、膝をぽんとうちました。
恥ずかしながら、私が読んだウェストールの著作は『ブラッカムの爆撃機』(宮崎駿さんのイラストつきの版)だけです。
時候不順の折、なにとぞご自愛下さいませ。
作者からの返信
ご丁寧にありがとうございます。
私も「ブラッカムの爆撃機」から入って、「機関銃要塞の少年たち」「水深五尋」を読んでウェストールが好きになりました。
拙作は彼の作品を意識していますが、児童文学と呼べるものではないので、その点かけ離れてしまったのが反省点です。しかし、そのような名前のギミックに気付いて頂けるのは作者冥利に尽きます。
重ねてありがとうございました。
梅雨が明けるまで、暫しの辛抱をば。