時間を寄せる
どんな作品でも、作るのには時間が必要である。
殴り書きだろうが、「AIのべりすと」のようなツールを使おうが、それは時間を短縮こそはすれど、ゼロにはしない。
何かをする上で一番根本的で面倒くさいところは「時間」である。
時間というのが、部屋の隅にでも置いてあって、いつでも取ってきて使えるようなものなら、なんら問題はない。
実際はどんなに密閉しようと漏れ出し、どこへともなく蒸発してしまう。それどころか「時間」というのは「そんなものがあった」という痕跡(過去)しか残っていない。今、そこにあるという保証すらもない。
やる気や材料が幾ら事前に用意できたとしても、時間だけはそれを許さない。「あらかじめ」という概念から飛び抜けている。
手を焼かされる。何をするにしても必要な要素なのに、それが一番ワガママだっていうのは。
一つだけ運が良いことに、時間というのは貴重でありつつも「希少」ではない。とびきりワガママな彼・彼女だが、気ままにふらりと立ち寄ることもあるだろう。
その瞬間を狙って声をかける。聞こえるかどうかも分からない、聞こえたとして、理解してくれるかも分からないがとにかくアピールする。
何もしないよりかは、幾分気が楽になるはずだ。やってるときは恥ずかしいが。
まず、高い集中力が必要だ。立ち寄る時間は非常に短いかもしれないし、そもそも時間はただでさえ「知覚しにくい」。ぼーっとしてたら、あっという間に別のお宅へ行ってしまう。
というのもあって、ある程度暇であることも合わせて必要だ。せっかくのチャンスも「忙しくてそれどころでない」となったら終わりである。
出来るだけ準備し、身構えておく必要もある。「(他の日はともかく)この日はやる」と自分の心に宣誓する。他の作業は入れない。心残りがあるなら事前に済ますか、翌日に繰り越してほしい。
最後に気をつけないといけないのが、時間の周りにいつもぞろぞろといる「スタッフの皆さん」である。「食べ放題、120分飲み放題付で3000円っすよ、どっすか?」とか「人生の近道・抜け道に興味ありませんか~?」とか「我慢や制約から解放されましょう!」と声をかけてくるあの方達だ。
引き寄せられてしまうと、時間をモノにするどころか、自分が彼らのモノにされてしまう。
自分が狩人になったとしても、それで何かから狩られなくなるワケではない。
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