なんだよそりゃあ
電極が沢山ついてるヘルメットみたいな器材を頭にかぶって、自分が思っていることを全部的確に機械が翻訳してくれて投稿もしてくれたら、少なくとも、こうやって長い時間、同じところをグルグル回って考えなくてもいいし、手を動かさなくてもいいし、読者を退屈させないか不安を感じることもなくなるのだろうか。
自分の脳が何を欲しているのか(共感、刺激、驚きなど……)を読み取り、それに見合った作品を流し込んでくれる。
もう、期待外れとか、肌に合わないものを見ることもない。耳を通す必要も無い。電極を通して直炙りだ。書いてもくれるし読んでもくれる。煩わしい作業なんてものも消えるのだろうか。
そうなれば、感想欄は混沌の
そうなったら、そもそも小説投稿サイトになんて出向かないのかもしれない。
「感情が小綺麗にまとまりすぎ、作者の都合を感じる」という感想があった。
感想をくれた方は以前「ごちゃごちゃしてて回りくどくて分かりにくい」とも伝えていた。その際は「頑張ってみます」とだけ返した。
その次がこうだった。今回は何も返さなかった。何をどうしようとも文句ばかり言ってきそうだったから。今となっては「では、どうしたらよかったんですか?」くらい聞いても良かったかもしれないなと少し後悔している。
自分に対しても、相手に対しても「なんだよそりゃあ」と思うことは多い。小説の話だけでなく、この生活全般においてだ。
例えば自分は妄想が好きだが、その妄想が決して自分を幸福にしてくれはしないことを重々承知している。妄想の内容そのものも自分が意中の相手に「丁重にお断りされる」ものとか、それこそギッタギタにしてやってから猛烈に後悔するものとか、そういう仄暗いものが増えている。
妄想の中でくらい、別に好き勝手すれば良いのに。内容がどういったものであるかに関係なく、終われば猛烈な
どうしてそんなものに縛られるのか、やっている自分が皆目見当がついていない。
お前の意見を尊重するよ、と言ってくれていた人が、まったく無視した意見の押しつけを始めていた。きっと機嫌が悪かったんだ、明日になれば大丈夫、
そんな感じで過ぎ去った日が両手で数え切れなくなった時、その人は「お前の意見を尊重しているのに、どうしてそんな酷いことを」と被害者になった。
かと思いきや、今までソリの合わなかった人が、急に自分に近しい人なのだと分かり始めた。
ちくしょう、加害者め。近づいてくれるんじゃない。認めないぞ、お前はずっと嫌なやつであり続けろ、そして後悔のタネの一つとして残り続けろ。
お前のタネにした妄想は一番すっきりしていたのに、これじゃあやりきれなくなるじゃないか……
なんだよそりゃあ。
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