出会えて良かった


 他の方の作品を読んだり見たりするというのは、「自分の時間を(一時的にでも)著者の時間に重ね合わせる」ということだ。

 読み合い企画でもなければ、その流れは一方的であるから、読者が著者の領分に入ってゆくことになる。

 重なった時間のなかで、著者の経験、感性、思想……敢えて言葉を選ばずに「妄想」の形を眺める。



 最近、定期的にレビューを書くようにした。タイトル+本文が数行程度の軽いものだ。

 レビュー作業というのも「自分の時間を一方的に著者の時間に重ね合わせる」ということになるが、置き土産が出来る分、ひょっとしたら「著者の時間がこちらに向くかもしれない」といった違いはある。

 非力ではあるし、内容が見当外れである可能性もあるのだが、今のところは「削除・訂正しろ」のコメントも返っていないので安心(?)だ。

 ハートや星評価、コメント、フォローでも良かったのだが「出会えて良かった」と感じたものに対して、それだけというのも何だかなあと思ったためだ。


 ということもあり、新着であったり、各ジャンルをふらつくような状態になっている。

 レビューのためにはある程度読み込んでおく必要がある。読んで「おっ良いな、面白いな」と感じた状態から一歩先に進む。

 具体的には「なぜ?」「どこが?」という点の分析……感性から理性の変換作業である。その中で得た教訓を自作にも活かせれば……という小狡い考えも含まれているか。


 あれこれくどくど書くよりも、「すっごーい! 説明不要!! とにかく面白いから読んでみろォォォォォォォ!!!!!」といったパワーのあるレビュー形式もモノによっては悪くないとは思う。

 要するにピントが合ってさえいれば。静謐せいひつな詩集には合わないだろうが、勢いと発想が凄まじいコメディにはこういった反応がベストかもしれない。


 静謐な詩集であろうと、凄まじいコメディであろうと、そこには著者の存在がある。

 この作品に出会えて良かったと思った時、同時に、この著者にも出会えて良かったと思っていて「何日坊主」になるかも分からないレビュー作業のモチベーションの一つとなっている。

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