ダイスを振っても


 ダイスの合計は11を出した。550文字入力すればいいということになる。

 文字数に見合ったトピックは何だろう……この話は何分くらいで書けるのか。書いても見てすらないのに、書く意味はあるのだろうか。ある。少なくとも目標の10万文字には近づくだろう。問題はそのメリットよりも、この作業にかかるコストの方が大きいことにあるじゃないか。

 そうなのだ、ダイスを振ることで書き易くはなったが、その先に何の実りもないことに辟易している自分がいるのだ。ならば書かなければいい。それも出来ない。止めるメリットよりも、やめることによるデメリットの方が大きいのだから。やめるもダメ、やめないもダメ。八方ふさがりである。

 こういう作品というのは、白いゾウのようなものだ。餌代が膨大にかかるのに、神聖な動物として重要視されるために捨てる・殺すことも出来ない。やっぱりある程度続けるのには作品そのものへの愛情が必要なのだなあ、と痛感する。


 とはいえ、温めすぎると腐ってしまうのも分かっているし、根を詰めすぎると、続きに満足いかず止めてしまうかもしれない。昔のアニメで登場する、壺を作っては「気に入らん」と割ってしまう完璧主義な芸術家と同じだ。連載に必要なのは、枠組みやアイデアだけはある程度作っておいて、しかし伸び伸びと書いておしまいに出来る、いわば「捨て去っても」構わない設定、アイデアをそこそこに成長させるような作品ではないか。「捨てアカウント」で作ったデータみたいだ。(一軍は本気なので、空ぶるとショックも大きいし)

 何だかかんだ、捨てアカウントに思い入れが出てきてしまうというのもありがちなのだが。

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