続きが気になる


 本当に今更すぎて、何も言えないようなことなのだが、優れた連載小説というものは、続きが気になって仕方がなくなる。

 盛り上げ方とか話の広げ方とか話を切るタイミングとか、様々な工夫が凝らされているに違いない。期待が萎んでしまわないように、細心の注意を払っているのだろう……


 読み進めるという行為は、短編や一話完結式にはない、連載モノの魅力のひとつである。

 一話一話を読んでいるうちに、すっかり世界に埋没している自分に気がつく。現実の時間のうち幾つかをある作品を読むことに費やすことになる。その境地に達するには、淡々と書いているだけでは難しいのかもしれない。


 なんとなく考えてみる。続きを注目させたいのであれば、引きを用意するのが手軽だろうか。

 つまり、文章の終盤、もしくは最終行で衝撃的な展開を盛り込んでみるだとか、次回予告を作ってみて、内容を宣伝してみるという方法になる。

 無論、続きが気になる以前に、第一話目の途中でブラウザバックされるようでは話にならないが、まあ、多くの人は第一話から読むだろうから、ある意味必然とも言える。


 広告を各話に挟み込むように作れば良いのか……それも読んでいる作品そのもの・・・・の広告。まるで作品を読みながら、そのPV(プロモーション・ビデオ)をも見ているかの感覚。PVを見た際の熱の高まりを読んでいる間にも絶え間なく与え続けることが出来るのなら、確かに続きが気になるようにはなるだろう。

 それを実現する方法はさっぱり見当がつかないのだが、風呂敷を広げることは期待を高めるという点では有効かもしれない。畳むことの難しさは棚にあげるとしても。

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