小さな労い
キリが良いところまで、仕事を終わらせることができた。
これでほんの少しだが前が向けるようになった。打ちのめされたこれまでの期間……どうしても俯いてしまって、間近のことしか頭に入らなかったが、そこに一筋の光が差したのは心強い。
冷静に過ぎ去った日々の評価を行ってみると、自分や他人が思ったよりも卑下すべき存在でないことが分かる。追い詰められると、上手くいかないというだけで過剰に自他を傷つけるようになる。
当時の自分はあれほど(この世の終わりかと思うくらいに)怯えていた感覚があるのに、今となっては曖昧な情報にしかならない。悪夢のようなものだ。
とは言え、今の期間は長く続くわけでもないし、また切羽詰まるのだろうとも思う。明日のことも分からない不安、自分や他人が思うように動かない苛立ち、遅れていく本来やるべき将来の計画……
創作活動において「私生活が忙しくなったので、活動を中断する(またはやめる)」というのはよくある話だ。
この作品も何度か頓挫の危機を迎えた。「丑三つ時に何やってんだ」と自嘲しつつも執筆したこともある。「(誰が損するでもなし)日次じゃなくてもいいじゃん」と反論できない意見が脳内にわきだしたこともある。
しかし、不思議と続いている。ハードルを下げに下げたから、書きやすいというのもあるし、こんなにハードルを下げたのだから毎日書かなきゃ何の取り柄もないと考えている節もある。
大切なのは……自分の行動一つ一つに、労いの場をもうけること。意味のあるなしも、能動か受動かも、成功も失敗も関係ない。
ご苦労様と、呼び掛けること。
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