外国語の小説技法


 身近にあるのに、全く想像もつかないものとして「外国語」がある。

 特に文法。もっともポピュラーな英語の文法ですら読むのが精いっぱい。初歩から外れた文を書くとなれば辞書が必要になるだろう。

 他の言語に至っては単語レベル、かつカタカナで書いてあれば少しわかるくらいではないか。これらの言語を読んだり、ましてや書いたりするのは現時点では不可能に近い。

 これによって何が辛いかというと、海外小説の原典が読めない点にある。そりゃあ、翻訳したものを読めば概ね分かるようにはなるが……小説における文章には韻やリズムがあるものが少なくないし、その言語固有の持ち味がある。

 以前に「日本語」に関する奥深さを記載したのだが、他の言語はどうなのだろう。それを知る方法がない。

 例えば、他の言語においても、叙述トリックに該当するものがあるのだろうか。(これは悪い例えかもしれない。言語に関係なく推理小説ならありそうだから)

 どういうキャラ付けが為されているのだろうか。舞台設定はどう変化するのか。何が重んじられ、何が嫌悪されるのだろうか。新しい価値観を得ることは出来るだろうか。


 日本だけでなく、海外からでも多くの小説が出ているに違いない。ファンタジー、現代ドラマ、ホラー、コメディ、恋愛モノ、推理小説……名作からいまいちなものまで幅広く出ているそれらを、言語を解することが出来ないだけで、すれ違ったままになってしまうことが、遣る瀬無く感じられるのだ。

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