可愛さについて
「可愛い」とはなんだろう。
たぶん、可愛いキャラクターを作るよりも、鳥肌が立つようなクリーチャーを作る方がよほど楽のような気がする。
怖さを引き出す一例としては「不気味の谷現象」を意図的に起こすというのがある。それが人間そのものの恐怖由来であれ、人外の存在に対する恐怖由来であれ、中途半端に人に近づいている、いわば「ヒトモドキ」と呼べるような仕草が、生理的な嫌悪感を生み出すにはもってこいだ。
絵の助けがあるならまだしも、文章だけで可愛さを表現するのは難しいものがある。そもそも「見た目が可愛い」キャラクターを表現する時点で難しい。
そんな状態で、内面の可愛さを表現することはもちろん出来ない。
考えてみる。
有名な作品の可愛い(と思う)キャラクターを基にしたらどうだろう。二次創作、SSという分野から始めてみるのはどうか。ゼロから始めるから難しいのであって、下敷きがあれば少しは分かるようになるかもしれない。
と思ったのだが、ここで根本的なことに気付く。自分にとって「可愛い」と思うキャラクターというのは、その見た目が可愛らしいものが大半で、内面までをしっかり見つめたことはなかった。
あるキャラクターの内面を見つめる為には、原作をしっかりと読み込まなくてはならない……
……
……
……はずかしい。
わかった。ようやくわかった。
「可愛い」の表現が難しいように思えるのは、その際に恥ずかしさを覚えるからである。見た目の描写でいえば「スカートを穿いている」。これだけで限界。
可愛い女の子を作り出すことに対する強い反発。これこそが正体である。
思春期の頃だったら、ためらいなく作り出せたのだろうが、今となっては枯れたおじさんか、鬱屈した青年しか作れないのだろう……
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