子供時代の経験


 大人になった上での後悔の一つとして、子供の頃にきちんと「日記」を書いたり、残しておかなかったことがある。


 小学校の頃に日誌のようなものを書いていた気がするが、先生受けの良いような物語をでっち上げたり、露骨に水増しをしていた記憶しかない(具体的な内容はまるで覚えていない)から、自分の欲求に率直な日記を残すことが出来なかったことは、とても心残りである……

 今となって、このような妄言をぐちぐちと書くようにはなったが、昔の自分の感性というのが何だったのか、いつ頃に今の自分の思考回路となったのか、知りたいことは尽きない。

 ただでさえ当時の記憶はおぼろげなのに、今の自分の色眼鏡を通しているのだから、正確であるはずもない。自分自身の歴史を紐解くというのは、簡単なようでいて、かなり難しいのだ。


 子供の頃には大人の想像の及ばないような視点がある。知識・前提がない故の自由(荒唐無稽)な表現、身長の都合で、相対的なモノの大きさも変わってくるだろうし、身分や人間関係も違うのだ。

 そこから引き出されたアイデアを――その大半が雑文、文字の集合体であっても――ある程度咀嚼が出来る大人の状態で発展させることが出来たのならば、きっと面白かっただろうなあ。


 過ぎたことを悔やんでも仕方がない。今から始めるしかない。自分が還暦を迎えた時にでも、この作品を眺めて「若かりし頃」の日記の代わりとして読み返して、それを老成(?)した状態で発展出来るか検証することを楽しみとしよう。

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