気を遠くする
明日が平日で、しかも夜遅くに執筆をするというのは、それだけで随分と賭けに出ている気もする。
眠気と不安が混ざり込み、独特の浮遊感が包み込んでいる。
「逃げたい」と強く思ったら、気を遠くするように心がけている。自発的に「気が遠くなる」状態に持ち込もうというわけだ。別名・現実逃避とも。
色んな方法があるが、お手軽に気を遠くしたいのなら、生命のはじまりを考えてみるのが良い。
想像してみるのだ――
地球最初の生命が海中のアメーバだったのか、バクテリアだったのか、細菌やウイルスの類だったのは知らない。だが、元素の集合体が、他の鉱物をはじめとした「無機物」と呼ばれる物体と違って、自発的に活動を行うようになった。
この当たり前の事実がいまだに信じられないでいる。いや、自分が生きている以上、信じる他ないのだが、どうしてそうなったのかまるで見当がつかない。
自分の誕生すらもよく分かっていないのに、生命の誕生なんてもっと分からない。ファンタジー世界御用達の「マナ」なんて概念よりも、よほどご都合主義的に生まれているかのような気がする。
もちろん、こんな疑問を抱けるのも、そのように解明されていて、常識として流布されているからだ。だが、その常識がなければ「神が作った」と言われても、おそらく信じてしまうだろうと思うし、むしろそちらの方が納得できるくらいだ。
宇宙のことを考えると「(それに比べて)自分や世間はこんなにも小さい存在だ」という気持ちになるが、その逆も同じくらいに感じる。
要するに、
奇跡のような綱渡りの最先端に自分や世間は立っているということだ。
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