外伝Ⅰ 青春時代が現実なんて③
☆★☆★ 3巻 4月7日発売 ☆★☆★
コミックス3巻予約推進応援更新も今日が最終日。
もうみんな予約してくれたよね? ね???
というわけで、最終更新をお楽しみ下さい。
~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~
こうして軍学校の筆記試験は終わった。
普段からじっとしていることが少ない魔族たちは割と朗らかな表情を浮かべて、三々五々と教室を出て行く。
次の試験は昼休みを挟んで実地試験であった。
「どうだった、ヴォガニス?」
ルヴィアナは1つ前に座ったヴォガニスに尋ねる。
「ククク……。バッチリだぜ!!」
さぞ燃え尽きた顔をしているかと思ったが、やりきった顔をしていた。
コメントまで強気だ。ルヴィアナはホッと息を吐く。
「ふん。あれぐらいできて当然だ」
先に立ち上がったのは、ブレイゼルだった。
「まあね。思ったより簡単だったわ。……でも――――」
なんで? カプソディアは燃え尽きているの?
3人は同時にカプソディアが座った机の方を見る。
当人は机の上に突っ伏し、頭から湯気を出して半分意識を失いかけていた。
そして筆記試験の成績が早々に貼り出されていた。
なんでも無茶ぶりされた死霊族が、死ぬ気で毎年採点してるらしい。
カプソディア4人組も貼り出された成績を見た。
「ブレイゼルが1位! すごいわねぇ」
「ふん。当たり前だ」
ブレイゼルは得意げに笑みを浮かべる。
その顔を見て、ルヴィアナは苦笑した。
「(カプソディアだと思ってたけど、意外ね。そのカプソディアは――――)」
ルヴィアナは探し始める。
当人であるカプソディアは呆然と自分の順位を見つめていた。
「ちょっと! カプソディア! あんた、ヴォガニスよりも下じゃない!!」
「くはははははは!! 大方、教えてもらったのは、カプソディアの方だったようだな。ルヴィアナ、これがカプソディアの実力なのだ」
ブレイゼルは大口を開けて笑う。
「ち、ちげぇよ、ブレイゼル! 徹夜明けでちょ、調子が出なかっただけで」
「ほう。そういう割りには随分と血色のいい顔をしているようだが」
ブレイゼルは顔を真っ赤にしたカプソディアをからかう。
試験の結果が悪いものになるのは、なんとなく気付いていた。
だが、ヴォガニスより下とはさすがのカプソディアも予想が付かなかったらしい。
「でも、ヴォガニスの順位も大したものよ。文字だって読めなかったのに」
「え? ヴォガニスって、文字も読めないの?」
「知らなかったの? というか、文字を教えていたんじゃないの?」
パチパチとルヴィアナは目を瞬く。
カプソディアが教えていたのは、簡単な算数や歴史、兵法などだ。
文字――なんて基本的な部分は全く教えていない。
(じゃあ、俺――――どうしてヴォガニスに負けたんだ。てか、あいつ……どうやって問題を解いたんだよ! 運? いや、だとしても俺はヴォガニスの運以下ってことじゃねぇかあああああああああ!!!)
カプソディアは再び心の中で絶叫する。
失意に暮れるカプソディアの肩に手を置く者が現れる。
ヴォガニスだ。
「ヴォガニス、俺を慰め――――」
「よう。順位最弱野郎」
それだけを言って、恩を忘れたヴォガニスは意気揚々とその場を後にするのだった。
~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~
ここまでお読みいただきありがとうございます。
本編とはちょっと毛色の違う、カプソディアと他の四天王の若かりし頃を描いてみましたが、いかがだったでしょうか?
彼の不幸体質は、昔からだったんですね(しみじみ)
というわけで、コミックス3巻が4月7日発売されますので、
表紙で頑張ってる聖女様のためにも、ご予約お願いしますm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます