4
ベッドの上で、うしろからサーシャロッドに抱きかかえられながら、エレノアは真っ赤な顔でぎゅーっと目をつむっていた。
二の腕からはじまって、サーシャロッドの大きな手が、ぷにぷにぷにぷにとエレノアの全身をもむように触っていく。
二の腕が終わればわき腹、わき腹が終わればふくらはぎ、そして太もも。太ももを触られるときは夜着がまくれあがってきわどいところが見えそうになってとても恥ずかしいが、エレノアの小さな抵抗はサーシャロッドの片手であっさりと封じ込められてしまうので、彼の「肉付きチェック」から逃れることはできない。
太ももを触られた時はおしりをぷにぷにと触られて、そして――
(ふええええええ―――)
エレノアはぎゅうっと瞼にさらに力を入れる。
見てはいけない。見ては恥ずかしすぎて憤死する。
サーシャロッドの手は脇の下からするりとエレノアの夜着の中に滑り込み、わずかなふくらみしかないエレノアの胸をふにふにと押しつぶすように揉んでいた。
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる!
エレノアの胸は服を着ていればその存在がわからないほどぺったんこだが、なにもそんなところの肉付きまで確かめなくてもいいのに。
しかも、胸の肉付きチェックだけ異様に長いのだ。
真っ赤な顔で耐えていると、不意に首筋にちゅうっと吸いつかれる。
「ふわっ」
エレノアが声をあげれば、楽しそうにくすくす笑いながら、サーシャロッドはぺろりと耳の後ろをなめた。
「エレノアは甘いな」
「あ、あまくなんて、ないですっ」
エレノアをなめたところで、甘い味なんてしない。それなのに、サーシャロッドは首に吸い付いたり、耳の後ろをなめたりするのが大好きだ。
父には結婚相手の言うことはすべて聞くようにと教育を受けたが、これにはどうしても耐え難くて、エレノアは身をよじる。
すると、逃げようとしたエレノアを攻めるように、きゅっと胸の頂がつねられた。
「ふえええっ」
もちろん、痛くはない。痛くない程度の力できゅっとつねられて、エレノアはぷるぷると小刻みに震える。どうしてか、腰から下の力が入らない。
サーシャロッドはエレノアの反応に満足して、つねるのをやめると、またやわやわと胸をもみはじめる。
そして、背後からエレノアの頬に頬ずりした。
「かわいいな」
なにがサーシャロッドを満足させたのかはわからないが、エレノアの肉付きチェックをしているときのサーシャロッドはいつも楽しそうだ。
サーシャロッドはしばらくしてエレノアの胸から手を離すと、彼女を抱きかかえてベッドにもぐりこむ。
「おやすみ」
エレノアの頬にちゅっとキスをして、サーシャロッドが髪を梳くように撫でた。
頭を撫でる手が優しくて気持ちよくて、エレノアの瞼はすぐに重くなる。
サーシャロッドの腕の中は、心地よかった。
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