カーライルの主治医
英国の思想家であるカーライルは、思想家という職業の割には、非常に頑健なことで知られていた。
ある時、同じ思想家仲間からカーライルは質問された。
「あなたはいつ見ても健康で病気なんかしたことない。きっとあなたの主治医は優秀な人なんでしょうね。どうでしょう、よかったら私にもあなたの主治医を紹介していただけないでしょうか?」
「ええ、構いませんよ。それでは今すぐにでも紹介して差し上げましょう。ついてきてください」
そう言ってカーライルが仲間を連れていった先は、なんと馬小屋。そしてカーライルは馬小屋の中にいる馬を指さして、言った。
「この馬が私の主治医です」
いったいなんの冗談だと、仲間は目を丸くしてカーライルに聞いた。
「御冗談でしょう? 馬が主治医だなんて、ありえません」
「いいえ。私は乗馬をたしなんでおりまして、そのおかげで私は常に運動ができておりますから健康なのです。普段の運動ほど、健康にいいものはありませんがそれを習慣づけることは実に困難なことです。ですが、この馬がいてくれるおかげで、私は乗馬という運動を習慣づけることができたのです。ですから、私の主治医は間違いなくこの馬です」
カーライルの言葉に、仲間はぐうの音も出なかったそうだ。
やはり、普段の習慣こそ、人生を決める大きな指標となるのかもしれない。
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