エジソンの蓄音機に対する不安


 エジソンが蓄音機をした時、その性能に世界の様々な人が驚愕した。

 そして日本にも、蓄音機がやってきた。時にして、一八七九年。明治十二年。エジソンが蓄音機を発明してから二年後である。


 蓄音機の展示会の際、誰が声を録音するのかとなった時、一人の男が名乗りをあげた。

 その男の名は、福地源一郎。東京日日新聞の社長である。

 福地はゆっくりと蓄音機に近づき、声を吹き込んだ。そして、すぐにそれは再生され、蓄音機から福地の声が流れた。


「こんな時代になると、新聞社が困るぞ」


 いつの時代も、新しい技術には、それに対する希望と不安があるようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る