世紀の色男科学者デービー


 ある科学史家たちによると、科学者の中で、もっともイケメンでモテたのは、イギリスの科学者であるデービーだそうだ。

 その証拠に、一八〇一年にロンドンに設立された研究所でおこなわれた講義には、科学なぞわかるはずのないような上流階級の貴婦人たちによって占拠されてしまったそうだ。

 デービーが若くてスマートだったのはもちろんのこと、その話術もかなり匠だったと記録に残っている。


 もちろんデービーは見た目だけでなく、その功績も素晴らしいものだった。

 七つの元素、笑気とも呼ばれる酸化窒素を発見し、坑道用のランプも発明している。


 これだけでも十分な才能だが、デービーの才能はこれだけにとどまらない。

 ワーズワースやコールリッジといった高名な詩人たちが、デービーの詩の才能を認めている。

 天は二物を与えずとはよく言うが、真なる天才や偉人というものは、二物以上を与えられた存在なのかもしれない。

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