クセの強い数学者ガウス


 ドイツの数学者ガウスは、あまりにもぶっ飛んだ思考回路を持っていたことで有名だ。

 その中でも、ひときわ目立つ彼のエピソードを二つ紹介しよう。


 ガウスがとある学会にて、重大な提案があると意見を述べ始めた。

 それは、シベリアの大草原に、植林によって巨大な形のピタゴラスの定理を描くようにすべきだという、とんでもない提案であった。

 もちろん、そんな提案など通るわけがないのだが、却下するにも理由が必要と、評議員の一人がガウスにその理由を聞いた。すると、ガウスの答えはこうだった。


「そうすれば、他星人が地球を見た時に、地球に文明があるのだとすぐに理解してもらえるだろう?」


 ガウスが三十歳の時、自宅でとある問題を解くことに熱中していた。

 そんなガウスのそばに医者がやってきて、ガウスへこう告げた。


「二階の奥様が危篤きとくです。今すぐ来てください」


 すると、ガウスは医者には目もくれずにこう言ったそうだ。


「もう少し待つように言ってくれ。もうちょっとで解答がでそうなんだ」


 奇人変人と天才はニアイコールとよく言われるが、そういう点からすれば、ガウスは間違いなく天才だったと言えるのではないだろうか。

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