エジソンと蓄音機


 膨大な量の発明品を世に送り出したエジソンであるが、その中でも彼が一番気に入っていた発明品は、蓄音機だ。

 だがこの蓄音機、エジソンが発明した当初は、音楽や娯楽への使用を考えられていなかったことをご存じであろうか。

 では、エジソンは蓄音機を何に使おうと思ったか?

 それは、業務用の口述や盲人のための記録、発生の練習用として使用されるようになっていたそうだ。

 だが、エジソンの考えていたようにはならず、図らずも蓄音機は音楽を楽しむ嗜好品として大ヒットすることになった。

 ちなみに、エジソンは映画も発明したのだが、一九二六年の新聞に、このようなエジソンの記述がのっている。


「映画を楽しむには、館内は静かで音の無いほうが好ましいだろう」


 以上のように、徹底的に音を娯楽としてとらえようとしなかったエジソンだが、これにはちゃんと理由がある。

 なぜなら、エジソンは聴覚が人よりかなり劣っていたからである。

 もし、エジソンの聴覚が正常であったならば、彼の発明はまた違った意味をもって誕生していたのかもしれない。

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