　ローマ皇帝・ネロ。そしてイギリスのヘンリー八世。

　この二人には、とある共通点がある。

　それは、初期は善政を敷いていたのだが、やがて暴君となってしまい恐怖政治を行っていたことだ。

　さらに、この二人は、暴君となってしまった原因も共通しているのである。

　その原因は何かというと、二人とも、自分達に良い忠告をしてくれる哲学者を殺してしまったことにある。

　ローマ皇帝・ネロは、哲学者・セネカを。

　ヘンリー八世は、哲学者・トーマスモアを。

　人の上に立つからには、広く、人の忠告――アドバイスを聞き入れなければ、暴君となってしまうものなのだろう。そしてそれは、現代でも同じではないだろうか。

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