人騒がせな数学者・フェルマー
フランスの数学者である、ピエール・ド・フェルマー。彼が書き残したメモの中に、このような一節がある。
『立方数を2つの立方数の和に分けることはできない。4乗数を2つの4乗数の和に分けることはできない。一般に、冪(べき)が2より大きいとき、その冪乗数を2つの冪乗数の和に分けることはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる』
これが数学史の中でも有名な、フェルマーの最終定理(最終予想ともいう)である。
砕いて書くと、3 以上の自然数 n について、xのn乗 + yのn乗 = zのn乗 となる自然数の組(x, y, z) は存在しない、というものである。
この数式の内容については割愛するが、まあ、ともかく非常にややっこしいものだと認識してくれていい。
なぜなら、このフェルマーの最終定理は、三六〇年にも渡って、稀代の数学者たちを悩ませ続けたのだ。
証明もできないが、反証もできない。とっかかってみても、どうにも手の付けられぬ、そんな難問。
しかし、一九九五年・二月十三日。ついに、このフェルマーの最終定理がイギリスの数学者『アンドリュー・ワイルズ』によって証明されることになり、三六〇年に及ぶ、人騒がせな定理に決着がつくこととなった。
だがそれは同時に、フェルマーという数学者の偉大さの証明であったとも言えるのではないだろうか。
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