キップリングの粋なプレゼント
ジョゼフ・ラダヤード・キップリング。
『短編小説技巧の革新者』という二つ名を持つ、筆者が尊敬する世界の文豪の一人である。
彼がどれだけ偉大かというと、彼の有名な著作の一つの名前をあげればわかりやすいだろう。
その著作とは、『ジャングル・ブック』。ディズニーのアニメ―ション作品としても有名な作品であるが、実はこの原作は連作短編集であることを知っている人は少ないのではなかろうか?
まあ、ちょっと『ジャングル・ブック』に関する話は割愛させてもらうことにしよう。筆者がそれを語りだすとキリがないし、今回、紹介するのはあくまでも、キップリングについての雑学なのだから。
さてさて、キップリングに子供が出来た時、その子供には一人の乳母がついた。
その乳母は実に献身的で、キップリングの子を我が子のように大事に育ててくれる姿にいたく感動したキップリングは、乳母に給料以外にとあるものを手渡した。
それは、とある原稿の束であった。
キップリングは乳母にそれを手渡し、こう言ったそうだ。
「貴女がお金に困った時、この原稿を売るといいでしょう。きっと、お役にたつと思います」
そして乳母はお金に困った時、キップリングの言葉の通り、その原稿を売った。
すると、その原稿を受け取った出版業者は愕然として言った。
「これは、ジャングル・ブックの初稿じゃないか!!」
乳母は長い間、お金に困ること無く穏やかな日々を過ごすことができたそうだ。
キップリングの作品だけではなく、私生活のこういう粋なところも、筆者がキップリングを尊敬し、敬愛している理由である。
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