人物紹介【イリア】

【イリア】


「ご覧下らんください。

 深淵しんえん深海しんかいきらめく無窮むきゅうの星々を」


「私のマスターになってくれますか」


「なんでしょうマスター」


「私の家族、黒さんです」


「どうして追って来たんですか?」


「データバンクに検索をかけたら、

 最低だと言う答えが出ましたよマスター」


「ふぅハゥ~

 おはようございますマスター」


「女同士の秘密ですマスター」


「私はマスターを信じてますよ」


「でもマスターは最後にはきっと、

 私を助けてくれていました。

 そのために必要な事なんだと、

 私はマスターをうたがいません」


「マスター、何を考えているんですか?」


「マスター、

 私がどうしてマスターを好きか知ってますか?」


「マスターは、

 自分の心の信じる道を進めばいいと思います」


「はい、マスターについていきます」


「黒じゃないですよ。

 見ますか?」


「マスター、マスター、まぁすた~」


「マスター。

 聞かないんですか?」


「マスター、もう少し待ってくれますか?」


「マスターはバカです」


「自分が何を言っているかわかっているんですか」


うしないますよ。

 マスターは幸せを全て失いますよ」


「バカです。

 何もわかってないバカです。

 マスターは」


「わかりました。

 マスターがそう望むなら」


「いえ、あなたには分からないだけで、

 私は一度あなたを失っています」


「心が壊れて壊れて、それでもあなたを求めて」


「私の心はもうその喪失そうしつには

 耐えられないんです」


「でも前よりずっと好きになりました」


「マスターが喜ぶなら」


マスター


マスター


あきらめないで


マスター


「ねぇマスター、

 今も私は半分あなたを失っている」


「マ   うれしい」


「さいご マスタ あえて」


「マスター会いたかった。


 でも違うんです。

 私はあきらめていました。

 私はとっくに諦めていたんです」


「辛くて、苦しくて、耐えられなくて、

 精神が壊れたようにむしばまれて」


「そして違うん世界にあなたを求めたんです」


「マスターごめんなさい。

 私はあなたにずっと嘘をついていました」



【イリア】


彼女の言葉は精神を溶かすモルヒネだった。


「マスター。

 好きです。

 マスターがこれを聞いていると言う事は

 私はもういないんですね。


 私は幸せですよ。

 マスターの死を見ずにいけるんですから。


 本当は死にたくない。


 私はダメな子です。

 悪い子です。

 自分が出来なかった事を、

 これからマスターにお願いするんですから。


 1つお願いを聞いて下さい。

 どうか私を追いかけないで下さい。


 大丈夫ですよ。

 本当に死ぬなんて思ってませんから。


 またマスターの声が聞きたいな」

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