013.別れるなら春の季節に

別れるならきっと

別れるならきっと

あの若やいだ人混みの中で

そっと桜の花びらが散っていくように

そうやって別れることはできませんか


悲しみも歓びも苦しさも楽しさも

いつか向こう側で混じり合うはずだから

何ものかを共有するあの若やいだ人混みの中で

そっと桜の花びらが散っていくように

そうやって別れることはできませんか


梅も桜も分からぬあの子らと

きっと呉越同舟

同じ川を流れていくのが人生だから

そして同じところに辿り着くのが人生だから

同じ行き先を共有する私たちは

それでもそっと桜の花びらが散っていくように

そうやって別れることはできませんか




※平成29年3月1日初出

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