012.永久のきらめき、刹那のゆらめき

嬉しい

悲しい


分割したされた感情の間を

サーフィンのようにではなく

ただビート板に掴まって揺らめいているのです


嬉しい

悲しい


そうして今もほら

永遠にも思える感情の煌めきが

網膜に焼き付いて私を苦しめるのです

刻印された名も知れぬ感情を整理しないわけにはいかないから

私は嬉しいような悲しいような気分になって

胸を打たれて涙をほろりと小さじ一杯


嬉しい

悲しい


1か0か

物事はそんなに単純にはいかないのと同じように

感情もまたそう簡単に割り切れるものではないはずなのに

私たちはどうしても容易く忘れてしまう

ああインドの人よ

どうして0の概念なんて見つけたのかしら

それを0と名付けてしまったのならもう0ではいられないのに


嬉しい

悲しい


涙の味はきっと桜の味

ぱっと咲いて嬉しいのか

さっと散って悲しいのか

分からないけれど

でもきっとそんな気がするのです




※平成29年2月22日初出

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