第8話 しびれる寒さ
そろそろ夏が来る。
梅雨も来るけど、暑い、って感覚を覚えた時点で、もう夏、なのだ。
暑くて、ベタベタして、不快以外の何ものでもない、夏。
私は冬が好き。
絶対に冬。
ヒートテック着て、タートル着て、セーター着て、その上にコート。
首にはマフラー。手袋も。
それでも、寒い。
東京の冬は寒い。
東京の人は北国は寒いと思ってると思う。
でも、東京の方がずっとずっと寒いんだ。
北国の冬はハワイだ。
家の中では半袖で、アイス。
移動は、車。
基本、薄着。
でも、目的地に自力で向かう時は、
しびれる寒さ、だ。
鼻から息を吸う。
鼻毛が凍る。
日本の北国はそこまで行くかな。
アメリカのさっむい所は、凍る。
頬に刺さるような寒さ。
体の芯まで、しびれる、ピリピリとした寒さ。
しびれる寒さの中、彼氏と歩く。
行き交う人達も寒さに痺れてるはずだけど、
幸せそうに見える。
人目の無い公園を歩く。
ポケットに入っていた、暖かい手で私の顔を包む。
氷の様な唇で、キスする。
しびれる寒さのキス。
物凄く、暖かいキス。
だから、冬が好き。
しびれる寒さ 増本キャロライン @masumotocaroline
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