第4話 勘違い

「コチョウさん、よろしくオネガイシマス」

 僕と胡蝶の席は無事に変えることが出来て胡蝶はミランダさんから授業について質問攻めされている。

「はぁ、今日は何か色んなことがあり過ぎて疲れた」

 そういって隣にいる友人の晋助しんすけに話しかける。

「まじで羨ましすぎるだろ(笑)なんでお前は可愛い子にモテるんだよ!」

 そういって僕を見ながらニヤニヤしている。

「何言ってるの僕はモテないからね? それにモテるっていうのは、晋助みたいなサッカー部の次期部長候補のイケメンさんでファンレターやファンクラブがある人のことを言うんだからね」

 そういって僕は帰りのHRが終わると同時にカバンを持って席を立つ。

「これから家の手伝いか?」

 晋助の問いに僕は首を横に振って

「今日は、これから銚子に行って明日の漁に連れて行ってもらう予定! 自分たちが使う食材にどんな過程があるのか、しっかり理解を深めなくちゃね!」

 そういって晋助と話していると疲れた様子の胡蝶が僕たちのところにやってきてカバンから何かを取り出す。

「晶、きちんと帰ってきなさいよ……。漁って危険と隣り合わせだから本当は行ってほしくないけど……。私が行かないでって言っても聞いてくれないでしょ? だからコレ……。それと晋助も大会近いんでしょ? はいコレ」

 そういって胡蝶は教室から出て行ってしまう。

「晶、お前は愛されてるな」

 僕と晋助が胡蝶から渡された袋の中にはそれぞれ御守りが入っていた……。

「そうなのかな?」

 僕のは手作りで晋助のは必勝祈願で有名な近くの神社の物だった……。晋助が愛されているかは一目瞭然で分かるだろう……。僕のはお金が無いからオマケの手作りだと理解出来るのに……。鈍すぎるだろ晋助!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕は君の瞳に恋をする。 兎神 入鹿 @Destiny

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ