8ー4

 「でも、と思っている人がいる、そうだろう?」

 「「はい」」

 「明日には、解決できるかい、綾、渉」

 「はい。少しだけ確認したいことがあるので、終わってからでいいですか?」

 「そこは大丈夫だ、綾ちゃん」

 2人は父を見た。最後の確認の意味で。

 「綾と渉には、もうはんにんの姿が分かっていると思う。けど、これ以上その子に罪が増えないよう、その子を必死で止めてあげなさい」

 「「はい!」」

 「明日すぐに行動ができるように何か、合図がほしいな」

 「携帯でいいだろう。番号は俺からお前の教えておくから、今のうち綾と渉に聞いて教えてもらっておけよ、秋於」

 「はいはい、分かりましたよ」

 秋於は渉に話しかけて携帯番号を聞いては打ち込んでいる。ついでに綾の番号も渉から聞いていた。

 「僕にも手伝えることあるかな?」

 箕上刑事が綾に話しかけてきた。

 綾は迷わず、あることを箕上刑事にお願い事をした。

 「あの箕上刑事には、手紙を借りてきてほしいです」

 「手紙?」

 「はい。雫が2人に自殺前に手紙を出していたのです。一人の内容は知っているのですが、どうにも……あと一通が気になっています。貰った本人はも貰っていないといっているみたいなのですが、私達には貰っていることは調べて確証があります。でも、どうしてもその事実を隠しているみたいなので」

 「綾さんがその子に聞いてみたの?」

 「いいえ。私だと怪しまれるので手紙を貰ったこに協力してもらい確認しました」

 「そうなんだ」

 「なので今から言う2人になんとか雫から最後に貰った手紙を預かって私に渡してもらいませんか。私だとイヤと断られる可能性がありますが、刑事の箕上さんなら大丈夫だと思いますのでお願いします」

 「分かった。やってみるよ、綾さん」

 「ありがとうございます」

 綾は箕上刑事に手紙を持っている人物を教えた。1人は大丈夫だけど、もう1人は上手く説得して預かってきてほしいといい、2人の刑事は帰っていった。




        ***




 放課後。綾はまだ教室にいた。

 「ねぇ、あやっぺに若菜~一緒に帰ろうよ。どうせ、部活がないんだし」

 「ごめんね、春奈」

 「実は部活があるのよねぇ~」

 「えっ、何で?」

 「17時になんか部活の方で話し合いがあるみたいなの」

 「でも、部活は禁止だよね?」

 「うん。でも、特別に許されているみたいなんだよね、今日だけ。そうでしょう、若菜?」

 「うん」

 「そうか~。じゃあしょうがないね、1人で帰るか」

 「ごめんね、春奈」

 「いいよ。じゃあ、また明日!」

 「うん、明日」

 「じゃあね、春奈」

 春奈は2人に一緒に帰ろうと誘ったが2人には17時に用事があり断れてしまった。結局、春奈1人で帰っていった。

 「17時まで時間があるよね。何していようか、綾」

 「私は図書室に行ってくるよ。返す本があったのを忘れていたみたい」

 「珍しいね、綾が忘れるなんて」

 「そう? 若菜はどうするの?」

 「そうね……ここで宿題でもやっていようかな~」

 「今日はなぜかたくさん出たよね」

 「ほんと。苦手も混じっているからイヤになるなぁ~」

 「頑張れ。じゃあ、17時に部室で」

 「うん」

 綾は教室からでた。綾は図書室に向かって歩いていく。

 それに綾は若菜に嘘をついた。

 確かに図書室に向かうことは確かだ。けど綾が持っているのは分厚い本に見えるが、よく見るとそれは本文なのだ。

 綾は図書室で待ち合わせている人物がいた。待ち合わせているのは弟の渉だ。

 若菜に知られたくない話をする為にわざと教室から出るため、あんな嘘をついた。

 綾は図書室に急いだ。

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