8ー3
「「十分可能ですね」」
「可能ですか」
「「はい」」
箕上刑事の呟きに綾と渉が同時に頷いた。そして綾が説明を始める。
「多少の時間の差はあると思いますが問題ないと私も渉も思いました。これが私と渉で計った時間です」
大人3人に自分達がやった実験の時間が書いてあるメモを見せた。
「これなら誰にでもできる時間帯というわけだな」
「男女差の時間帯もしっかりと調べてある。すごいですね」
「屋上のフェンスの件は分かった。他は何を調べたのか教えてくれるかな、綾、渉」
「あとは竹村先生にもう一度、話を聞いたり、綾と一緒に論文について調べたよ」
「どうだった?」
「まずは、竹村先生の話は箕上さんに話した内容と変わりはなかった」
「次に天文部が書く論文は必ず名前を書くことは、お話したと思います。昨日、原文の方を見ていたら、論文を書いた本人の名前が分からないかと思っていたらあることを思い付きました」
「どんなことですか?」
「この原文の名前は多分、ボールペンで名前を書かれていて名前を修正液で消すと目立つので
「もしかして出たのかい!」
「はい。それで今日、学校にこの論分のコピーがまたあるのか、確認に行ってみたらありました」
「コピーてすか」
「はい。必ず原文をコピーして準備室に保管しておくみたいです。今は、私が原文を持っています。コピーは準備室にあって誰にも借りられていなかったので助かりました」
「名前はどうだった?」
「「部長の名は原文だけです。本当にこの論文を書いた人は、コピーの方にも、もちろん原文にもありました」」
綾と渉の2人で調べた結果をいった。
綾は自分が持っている
そこには同じ、人物の名前があったからだ。
「今回の事件は、雫が自殺してしまったことが繋がっていて、そこから殺人事件が起こったものだと私と渉は思います」
「しかし、そう言えるとは限らない」
「そうですね。他にも証拠がないと……」
「なければ作ればいいだろう」
「「!」」
2人の刑事が蓮を見た。
「作ればっておい、蓮、それは……」
「
「それもそうだが……」
2人の刑事は困った顔をしていた。確かに今は、証拠と言ってもいいものは少なすぎるのが現状だ。
「俺と綾の考えは、犯人がこの事・・・をどこがで知ってしまい、今回こんな事件を起こしたと考えています」
「私と渉は、犯人は部長をターゲットにしているのではと思っています」
簾堂は2人を見た。2人の瞳は決して冗談をいっているような、そんな瞳の色ではなかった。
逆に真剣で信じてほしいと語っているそんな瞳の色だった。
「じゃあ、ここまでの流れだと部長以外の天文部の誰かが犯人になるな」
「それ以上は考えられないのは、確かだ。2人目の犠牲者のアズサさんの行動を知っていたと考えるとそうなる。もちろん、論文の事も」
「あの……お2人は、犯人が誰なのか、分かっているのですか?」
「「いいえ。まだ、確証・・がないだけです」」
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