6ー6
綾と箕上は職員室に向かっていた。
職員室に向かって歩いていた綾は、歩いているときに自分の携帯のバイブオンがなったのであるくのをやめて携帯を見た。
メールが来ていて差出人が渉だとわかって、箕上刑事にもドライバーを使った実験をやる事を伝えた。
それと箕上刑事に学校側の許可をもらえるよう、簾堂さんからの伝言も伝えた。
そして職員室についた、綾と箕上は職員室の中に入っていった。職員室の中はほとんど数名の先生方がいた。そこには、もちろん天文部顧問の竹村先生の姿もあった。
綾は竹村先生のところに行った。
「竹村先生」
「滝森さん。それに刑事の方ですね」
「刑事の箕上と申します。お話を聞いてもよろしいですか?」
「はい、答えられるものでしたら」
「ありがとうございます。夜の活動する為に屋上を使っていると聞いております」
「はい」
「その準備をしているのも生徒さんだと聞いております。その準備をしたのは、1年生の3人と聞いております。その1年生の3人の他に先生に屋上の鍵を借りに来た生徒はおりますか?」
「いますよ、3年の藤村君が。最後の確認をする為に。他はおりません」
「そうですか、ありがとうございます」
「いいえ、警察の方に協力するのは当然ですから」
「ご協力ありがとうございます。それとももう一つ、こちら側の急なお願いなんですが」
「はい、なんでしょうか?」
箕上はこれからやる事を竹村に伝えるのと学校側の許可をお願いした。
竹村も話を聞いて校長にお話しをし許可を出たことを伝えた。
「ありがとうございます。綾さんは、何か聞きたい事はありませんか?」
「ありがとうございます、箕上刑事。一つ、あるんですがいいですか?」
「いいですよ。滝森さんにも協力していますし何でも」
「ありがとうございます。竹村先生、事件があった日はずっと学校にいたんですか?」
「いえ、一度帰って増すよ。早めに仕事を終わらせて」
「そうなんですか。先生が帰ったあとに屋上の鍵を借りに来た生徒はいたんですか?」
「いないみたいです。他の先生から鍵を借りに来た生徒がいたとは聞いていないから」
「ありがとうございます。箕上刑事、もう大丈夫です。あっ、先生。すみませんがストップウォッチを貸していただけませんか?」
「いいですよ。はい、どうぞ」
「ありがとうございます。箕上刑事、行きましょうか」
「ご協力ありがとうございます」
綾と箕上は天文部の顧問、竹村先生にお礼を言って職員室を出た。
職員室から屋上に戻ることに。屋上に向かっている時に箕上が綾に話しかけてきた。
「綾さん。ストップウオッチを何に使うんですか?」
「それは屋上に行ったら分かりますよ」
会話をしながら屋上へと向かった。
屋上で合流した4人。先に屋上に来ていた渉と簾堂は屋上のフェンスのところにいた。
「どうだった、箕上?」
「綾さん達のあとに屋上の鍵を借りに来た生徒は、1人いました」
「誰なんだ?」
「部長の藤村先輩です。あとはいないみたいですよ」
「俺と綾のあとに先輩、屋上に来たんだ」
「そうみたい。確認の為に竹村先生から鍵を借りに来たみたい」
「ふ~ん」
「とりあえず、1人はここに来たと分かったとして綾ちゃんに渉君の確認したいことを始めようか」
「ありがとうございます」
「綾さんと渉君がやりたいことって何ですか?」
「俺から説明します」
箕上の質問に渉が今からやることを説明を始めた。正確には箕上と簾堂の2人に。
説明が終わると2人はなるほどと頷いていた。
「つまり、綾ちゃんと渉君は、ドライバーを使ってフェンスのネジを取るのに男女でどれくらいの時間さがあるのか知りたい訳なんだなぁ」
「はい。それとどのドライバーが使いやすいか知りたいので」
「なるほど~」
「じゃあ、俺から始めるか」
「うん、お願い。私はストップウオッチでタイム測るから」
「分かった」
さっそく綾と渉の2人は実験を始めた。簾堂や箕上の協力を得て。調べたい事をやった2人は最後に使ったものを片付けをして簾堂達と探偵事務所に戻った。
事務所に戻ると学校で調べた事について話し合いが始まった。もちろん、蓮も一緒だ。学校で調べた報告を聞くためだ。
「秋於。綾と渉達以外に鍵を借りにいた生徒はいたのか?」
「いたさ。箕上」
「はい。綾さん達のあとに屋上へ行った生徒がいました。1人ですね」
「誰ですか?」
「3年の藤村竜也。天文部の部長さんになります」
「それに綾ちゃんと渉君がドライバーを使ってフェンスのネジが取れるか実験してくれたし、男女の差がある。ドライバーを使ってフェンスのネジは取れるがやっぱり男の方が時間的に早い。誰もいない屋上であまり時間をかけたくないだろうからその事を考えると……部長で決まりか」
「ちょっと待って下さい!」
綾は早すぎる回答に待ったをかけた。心の中でまだ違和感を感じている綾は声をあげた。その場の全員が綾を見た。
「綾?」
「確かにフェンスのネジを取るのには、女性より男性の方が力があるし、ドライバーの扱いにも慣れがあります。けど、充電式のドライバーを使えば軽いし不馴れでも簡単に細工が出来る可能性はあると思います。それは、さっきの実験でも証明済です。それに犯人が1人とは限りません。それに私と渉は少しの間、屋上から離れています。そのときに……」
「どこかに隠れていた仲間がいたらと考えた訳だな、綾」
「はい。もう少し調べた方がいいと思います」
「分かった。もう少し調べよう」
「ありがとうございます」
「それより綾ちゃん。渉君と屋上から一緒に離れたのは本当かい?」
「本当です。綾と準備をやっていたら途中で道具が足りなくなりそうで、一緒に道具を取りに行っていましたから」
「そうなりますと綾さんと渉君がいない間に共犯者と一緒か、3人がいなくなった時に行動したか、あるいは1人でやったかの3パターンが浮かびますね」
「そうなるとやっぱり、綾が言った通りにもう少し調べた方がいいと思うぞ、秋於」
「あぁ、そうするよ」
2人の刑事と綾達は話し合いが終わると2人の刑事、簾堂と箕上は事務所を出ていった。
「お父さんはどう思う?」
綾が何気なく父に質問をした。
「確かに今の段階だと犯人が誰とは分からないが犯人が男性と言う判断は、早いと倒産も思う。綾はなにか分かったのかい。それとも迷っているのかい?」
「うん。私もお父さんと同じで犯人は男性と決めつけるには、まだ早いと思っているの。それにどうしてかずし先輩が狙われないといけないのかがまだ分からないし……」
「確かに雫さんと係わっていたといえ、部活だけでそれ以外は係わっていたとは限らない。それだけで殺害される理由なんてあるのか?」
「うん。雫と関係していると考えていたけど本当にそうなのか、本人じゃあないと分からない。なんか、うまく言えないけど……なんか違和感を感じるの」
「俺も綾と同じ違和感を感じる」
「渉も?」
「秋於達、警察がなにか新しい情報でも、見つかれば少しは分かるかも知れないな、綾、渉」
「「はい」」
親子3人はもう少し情報がほしかった。
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