6ー5
しばらく考えていた時に全員がふっとあることを思い浮かんだ。
「蓮、もしかして!」
「あぁ。多分、ここにいる全員が思ったじゃあないのか。綾と渉も、もちろん分かっているだろう」
「「はい、雫と何か関係があった」」
「やっぱり綾と渉もそう思うか。彼は雫さんと何か関わっていたんじゃあないのか? 同じ部なのだろう。それだけで見たら偶然すぎる」
「そうだろうな。じゃあないと手紙の意味が伝わらないなぁ」
その場にいた全員が同じ答えにたどり着いた。
「もう少し調べるぞ、箕上」
「はい、簾堂刑事」
2人の刑事は事務所を出て行った。2人の刑事が出て行って、しばらくしてから綾がポツリと呟いた。
「私の……考えであっているのかな?」
「綾?」
「少し不安」
「信じなさい、綾」
「お父さん……」
「お父さん達が話を聞いていても綾と渉の考えと同じだ。だから信じなさい、自分を」
「信じようぜ、綾」
「うん」
「今回の依頼と事件が繋がっていると私は思う。2人とも、焦らず慎重に自分達のペースで調べなさい」
「「はい」」
捜査四日目。綾と渉は簾堂と箕上刑事と共に学校の屋上にやって来ていた。
昨日と今日は学校が急ょ休みとなった。理由は山里和志が屋上からの転落事故で亡くなったからだ。でも、刑事の2人を始め、綾と渉、そして2人の父、蓮は青森雫の死と何か関係があるのではないのかと思っている。それに和志が持っていた謎のメモがそれぞれを動かしている。
もちろんニュースでは、言ってないが警察は事件と事故のようほうで動いている。はっきりとした答えが出ていないので、学校側にも事件の可能性があるとは言っていない。
この事件の中心が簾堂と箕上刑事なので、綾と渉にとっては動きやすいので助かっている。
事件の可能性もあるので警察は2日間、捜査の為に学校をお休みにしてほしいと伝えられて学校は休みにしている。
綾と渉は父に頼んで2人の刑事、つまり簾堂と箕上刑事と行動がしたいとお願いをした。綾と渉は屋上に行ってみたいと話をし、蓮が簾堂に連絡をして、2人は今、屋上に来ていた。
2人だけでは絶対に屋上には入れないと分かっていたから簾堂にお願いをしたのだ。
屋上の捜査は、ほとんど終わっているみたいで見張りの刑事か2名しかいない状況だった。他の刑事はそれぞれ調べているみたいだ。
「あの簾堂さん。ここの屋上のフェンスとフェンスの間のネジって簡単にとれるものですか?」
「取れるらしいよ、綾ちゃん。ドライバーとかで簡単に取れるらしい。でも、取るなら少し時間がかかるし、力がないと難しいだろう。でも、できなくもない……犯人が男なら」
「そうですね、男の人なら可能性はあります」
「綾ちゃんに渉君。この学校にドライバーはもちろん、あるだろう?」
「あるよ。技術室にあるはずだよ」
「案内を頼むよ」
「いいですよ」
「箕上、お前は綾ちゃんと一緒に職員室へ行って、綾ちゃん達のあとに屋上の鍵を借りに来た人物がいないか、聞いておいてくれ」
「はい、分かりました。では、綾さん」
「はい、案内します」
4人はそれぞれ2組に分かれて別行動をした。
渉と簾堂は技術室に向かった。技術室は、1階の一番奥の部屋で始めからここに来る事を想定していた渉は、始めから技術室の鍵を借りていた。渉は職員室で借りた鍵を使ってドアの鍵を空けて、簾堂と一緒に中には行った。
「渉君。ここにあるドライバーはどんなものがあるんだ?」
「ちょっと待って下さい。今、用意します。そこの机のところにいて下さい」
渉はドライバーがしまってある棚に移動し、ドライバーを持ってきた。持ってきたドライバーを並べていく。
「ここには三種類のドライバーがあります。簡単に言うと充電式の小型ドライバー。主に女子でも使えるようになっていて、次に同じ充電式で持つと少し重さがあると実感するタイプ。あとは一般的にある手で持って回して使うタイプの三種類です」
「なるほど」
「もし、ここのドライバーを使ったなら簡単に細工ができると思います」
「なるほど。あらかじめ先生にここの鍵を借りてここからドライバーを選んで袋の中か鞄の中に入れてしまえば見つからないし、使い終わったらここに返せばいい。そういうことかな、渉君」
「はい」
「よし、こっちの捜査はお待ったと綾ちゃんにメールしてくれるかい、渉君」
「いいですけど、簾堂さん。ちょっと実際に実験しませんか?」
「実験? それは実際にやってみるということかい?」
「はい」
渉は頷いてさらに話を進めていく。
「三種類のドライバーを俺と綾でいわいる男女がやって場合の時間差などが分かるかなって」
「なるほど。その方が犯人像だけではなく、本当にドライバーで屋上のネジが取れるかの確認もできる。渉君、この事を綾ちゃんにもメールを」
「大丈夫です。この実験は綾と俺の2人出だした提案です」
「話し合い済ってことか」
「はい。じゃあ、実験をやるってことで綾に連絡を入れます。ついでに学校の許可を貰ってきてほしいことも」
「頼むよ」
渉は簾堂の言葉に頷いて綾にメールを打ち込み始めた。
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