5
3人は星宮の家に向かって歩いていた。
2人は、父親から星宮を家に送るように言われ、今は3人で歩いていた。
「捜査は明日からだな。どうする、綾?」
「そーね……」
綾は渉に言われて少し考え事をした。何かいい案が思い付いたのか、綾は星宮に話しかけた。
「あの……星宮さん」
「はい」
「星宮さんにも少し手伝ってほしいの。大丈夫、簡単な事だから」
「えっ、どんな事をやればいいのですか?」
綾は歩くのをやめた。つられて2人も歩くのをやめて綾を見た。
「星宮さんには、2つやってもらいたい事があるの。1つ目は、同じ部活の若菜に雫からの手紙がきたか聞いてほしいの。あと他に女子っている、1年生で?」
「いいえ、いません」
「じゃあ、話を聞かれたら、その時の若菜の様子をしっかりと見てほしいの。あと先輩にも聞いて貰えると助かるかな」
「はい」
「なぁ~、綾じゃあダメなのか。同じクラスだから綾でもいいんじゃあねーの?」
渉が綾に自分が思った疑問を問いかけた。綾はわりと素直に自分の思いを伝えた。
「それだと怪しいまれるかなって思っているの」
「どうしてなのですか?」
今度は星宮が質問してきたので、綾は2人にも分かるように説明を始めた。
「今、若菜は学校を休んでいるの。明日から学校に来るみたいだけど。普通に友達同士の会話で雫から手紙がきたのって、若菜からそんな話がでたら分かるけど、私も春奈からもそんな話題はでなかったの。あれから5日もたってもね。もちろん、若菜からもそんな話はなかったわ。若菜のお見舞いに行って3人で話し込んでいた時でも」
「じゃあ、若菜さんも貰っていないんじゃないのか?」
「そうかもしれないけど。あえて本当は貰っているけど、その内容が部活に関係があったら同じ部活じゃあない人に話す?」
「……いや、話さない。そうか、同じ部活の星宮だったら心が落ち着いた時に話すかもしれない。逆に綾の予想通りだったら、どうして知っているのって聞かれる心配もない」
「そーゆうこと。それだったら若菜に怪しまれずにできる。そしてもう1つは、私の手助けをお願いできる?」
「手助けですか?」
「うん。私が天文部に入って捜査してみようと思うの。つまり、潜入捜査ね」
「綾が!」
渉と星宮の2人は驚いた。
「そう、渉だとバカ正直に答えそうだし」
「悪かったな」
「怒らないで。渉は周りの人にバレないよう調べて。そして星宮さんは、私と職員室で会って顧問から天文部に案内をするように言われ、一緒に来たと合わせてほしいの」
「はい、それくらいなら大丈夫です」
「ありがとう。じゃあ明日の4時10分頃に職員室で」
「はい」
「俺はまず……先生達に話を聞いてみるよ」
「そうね。何か新しい情報があるかもしれないし。私はまず、天文部の顧問のところへ行って、部活見学をしたいと言ってから行動していくわ」
「じゃあ、決まりだな。明日からやるぞ」
「「うん」」
3人は自分達がやる事を決めて、星宮の事を家に送ってあげた。
そして家に帰って来た2人は、父親との約束した報告、つまり明日からの学校で、どのような行動をするか父に伝えた。
明日から綾と渉の双子捜査が始まる。
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