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朝の眩しい光と共に鳥達の声が聞こえる。ここは
滝森探偵事務所の所長である滝森
そんな彼にも2人の子供がいる。それも双子さん。けど、男女の双子は珍しいといえる。そして、幼い時から父の背中を見て育った双子はいつの間にか、自分達も父の仕事を手伝うようになっていた。
けど、
そんな滝森家の朝は、ニュースを見たり、依頼があった時には、そんな話題から朝がスタートする。
「おはよう、お母さん、お父さん」
「おはよう、綾」
「おはよう、綾。昨日はご苦労さん。鈴木さん、喜んでいたぞ」
「うん。なんとかなったけどね」
「でも、依頼は達成した。よくやった」
昨日の依頼は、ご近所さんの猫がいなくなり、それを双子で見つけるといった内容の仕事だった。それが無事完了したのだ。
「……おはよう、父さん、母さん、綾」
「やっと起きてきたわ。おはよう、渉」
「おはよう、渉」
「おはよう、渉。昨日はご苦労さん」
「なんとかなったけどね」
「あら、綾と同じ事を言っているわ。さすが双子よね。ねぇ、あなた」
「そうだな」
双子の2人は意識していないが自然と
少女の名は、滝森綾。朝霧学園に通う高1。ほっそりとした体型に腰のところまである長い黒髪はストレート。
少年の方は、滝森渉。同じく高1。背が少し綾より大きい。顔立ちはどちらも同じ。ちょっとした同じ変装だったら、後ろから見たら、分からないかもしれない。一応、綾が先に生まれたので、綾が姉で渉が弟になっている。
「あら、2人共。早く学校に行かないと遅刻になるわよ」
「本当だ「「いってきます!」」
2人は家を出た。そんな2人の姿を見た両親は、
「本当にそっくりね。少しは違うところがあるけど」
「そうだな」
2人は学校に向かって歩いていた。2人が通う朝霧学園。水色のブレザーに灰色のズボンあるいは、スカートの制服を着ている。そして赤のネクタイをしている。家から真っ直ぐ歩いて40分くらい歩く。
「オッス! 滝森双子!」
「ちょっとその呼び方「やめて」「やめろ」
「おっ、さすが双子。今日も息ピッタリ!」
「まったく
「おはよう」
「おはよう、綾ちゃん。あのさ、綾ちゃんにお願いがあるんだ。オレ、今日の数学で当たるから教えてほしいところがあるんだ」
「え~、どうしようかなぁ~」
「頼みます! この通り!」
「渉に教えてもらったら? 同じクラスでしょう?」
「いや、綾ちゃんの方が分かりやすい!」
「どうせ、俺は分かりにくいよ。悪ぅーございました!」
「怒るなよ。渉はどっちかというとスポーツは頼りにしているって」
「調子がいいんだからなぁ~茂は」
鈴木茂。渉のクラスメイトでクラスのムードメーカーである。部活はサッカー部に入っている。だから髪はスポーツ刈りで、最近ケガしたのか右の
そんな茂が2人に頼ってきた。今日は勉強みたいだ。
双子の姉である綾は勉強面。渉は運動系、体を動かすのが好き。でも、どちらも頭脳も運動もできる。文武両道なのだ。
「あっ、
「おはよう、あーや」
「おはよう、綾ちゃん」
綾は同じクラスメイトで友達の2人に会った。2人は学校の正門の所にいた。
先に挨拶をしてきた少女の名は、青森雫。髪を2つに結び、背がクラスでは(女子の中では)一番小さい。クラスでは、綾の次に頭がいいのだ。天文の知識はすごい。そして性格は優しい女の子だ。
もう1人は上野若菜。髪をショートカットにしており、よく雫と共に行動している。性格は明るい性格。2人は天文部という部活に入っている。
ちなみに綾と渉は部活に入っていない。
「何しているんだ、こんな所で?」
渉は綾の友達と面識があるので素直に質問してみた。質問の内容を聞いた綾は思わず、渉を見て、ため息をした。
綾のため息で一瞬、渉の動きがビクッと動いた。
「渉、また……先生の話、聞いていなかったなぁ~」
「えっ、いいや~」
渉が綾から目線を外した。
「全《まった》く。今日は天文部で今までの研究をまとめた論文を発表する日だよね」
「そう。隣町の青葉学園で今までの研究を発表するのよ、分かったかな、渉君?」
「はい……分かりました、上野さん」
(あれ)と綾は、突然思いついたかのように渉と茂の事を見た。
「渉のクラスでも確か……天文部の星宮さんという人がいたと思うけど?」
「はい、確かにいます。すみません、すっかり担任の話、聞いておりませんでしたし、思い出しました」
「おいおい、渉……それで成績がいいんだから、ずるいよな。いや、詐欺だ!」
「別にいいだろう。授業は、ちゃんと聞いているから、俺は」
「そうですか。そういう事にしておくよ」
その場にいる全員が笑った。綾と渉が通う朝霧学園では、期末、中間といったテストがあると学年で上位60番目くらいは廊下に毎回、十位と名前が張り出される。それに毎回、綾と渉は必ず名前が張り出されているのだ。
その事を茂は考えながら渉の事を言っているのだろう。
「思い出してくれましたか? けど、渉君は面白いね。今回は私と若菜ちゃんとあとは、部長と2年の
「頑張ってね、2人共!」
「まぁ、私も雫も先輩の手伝いだけ」
「でもいいじゃあない。貴重な体験だと思えば」
「そうだね。そう、思って頑張るよ。ありがとう、綾ちゃん」
「待たせて悪いね、雫君、若菜君!」
「「おはようございます」」
「おはよう」
「じゃあ、頑張ってね」
「ありがとう!」
綾達は天文部の先輩が来たのでその場から離れて校舎に向かって歩き出した。
「そう言えばさぁー、2人は部活入ってねぇじゃん?」
「「そうだよ」」
「あっ、ハモった」
「それで?」
「退屈しねぇ~の?」
2人は首をふった。部活に入っていない訳は言わないが2人には、やる事があるから部活には入らないのだ。
2人の主な放課後は、父の探偵の依頼の手伝いをしているからだ。誰も知らないが。
「別に。退屈はしないよね、渉」
「そうだな~」
「ふーん。でも、
「それはどうも、茂。そう言われても入らないよ。家でゆっくりしたいし」
「
「あっ、時間になっちゃうよ。じゃあ、茂君は渉と同じクラスなのだから渉にちゃんと教えてもらってね。じゃあね!」
「そ、そんな~」
綾は走って先に校舎の中に入っていった。渉が綾の事を見送ってから茂の肩にポンポンと叩いた。肩を叩かれた茂が渉の事を見た。
「ドンマイ。俺が教えてやるよ。それはもう、丁寧でかつ優しく、茂でも分かりやすく!」
「……
「さぁ~ね」
「いや、絶対に持っている。絶対、根に持っているね、渉!」
いやいやと首を振りながら渉も茂と一緒に校舎の中に入っていった。
2人が校舎の中に入ったあとにキーン・コーン・カーン・コーンとチャイムが鳴った。
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