高校一年生(後半)
十二月頃に、ようやく失恋から立ち直った(完全ではないが)。自殺しなくてよかったと思います。軽音楽部の活動も普通にやりつつ、実は生徒会にも所属していました。
生徒会は卒業式の準備で慌ただしくなり、生徒会のメンバーと一緒に作業する時間が増えました。作業しながら喋っていると、心がすごく落ち着きました。特に、同期のYさんと喋っていると、今までの嫌なことを忘れることができました。
その理由は考えるまでもありませんでした。俺は次の好きな人を、癒しを探し求めていたのです。だから、俺はその子にたくさん話しかけました。
「Yちゃんのこと好きなの?」
Yちゃんの友達に言われた。
「まぁ……そうかもしれない。やっぱり、分かりやすかったかな?」
「うーん、それもあるけど、Yちゃん本人が私に相談してきたの」
でも、それを相談している時点でだいたい察した。おそらく、彼氏がいるんだろうなぁ。もしくは、好きな人がいるとか。その予想は当たった。
二月に入って、S君がカミングアウトしたのだ。Yと付き合っているということを。
S君は性格も顔もイケメンで、俺は「そうだったんだ」以外の言葉が出なかった。いつかの恋と同じく、割と最近付き合ったという話だった。ひしひしと敗北感を味わいながら、気持ちを押し殺した。
*二年生へ続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます