中学校一年生(後半)


 次の恋(?)に行くまでにそう時間はかからなかった。


 別のクラスの子が好きになった。学年集会の時に司会をしていて、その声と、遠くから見た容姿がすごく良かったのだ。


 この話は一瞬で終わった。というのも、その子と同じクラスの友達にその子が好きであることを言った数日後のことだ。


「その子に、おまえが好きって言ってたよって言ったら、キモいって言いよった」


 友達はそう言った。


 まぁ、友達は辞めておけと忠告していたから、俺が諦めるための嘘だったのかもしれない。だけど、その時は真に受け、その子が性悪であると自分に言い聞かせ、諦めた。


 正直、この時にようやく気がついた。全く知らない人からの好意は気持ち悪いものなのだと。だから、安易に好きなんて言ってはいけない。まずは話せるようになってからでないと、好きになる権利はないんだと。この時の感情を、最近になって思い出して、"好きな人"とは何なのか、分からなくなっているのもまた、事実である。




*二年生へ続く

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