小学校四年生


 小学校四年生の時は隣のクラスの頭がいいと評判の子を好きになった。容姿端麗で頭が良いというハイスペックな子であった。男勝りな一面


 その子とはほぼ何もなかったと記憶していたが、この話を書いていると重大なことを思い出した。


 まず、小学校四年生の運動会の時である。四年生は演目に組体操があり、偶然の偶然にも、その子と手を繋ぐ場面が来たのだ。


 練習の度にドキドキワクワクが止まらない。まぁ、それ以上のことは何もなかったのですけどね。


 続いて四年生の学芸会。超マイナーなのか、オリジナルなのかは分かりませんが、何という劇か忘れました。調べても出てきません。とにかく、その劇に出てくる「ももこ」「ようくん」「さっちゃん」という三人の主要キャラがいて、僕はようくんを演じることになりました。その子は中盤のももこ役でした。


 記憶が古いからでしょうか、運動会でも学芸会でもあの子とまともに喋った気がしないのです。


 そしてクラス替えを楽しみに五年生へと進級したが、同じクラスになることはなく、好きであるという気持ちを持て余した。


 冬になると俺の家族は引越しを決定する。要するに、俺は転校することになった。小学校六年生に進級するのに合わせて引っ越すことになり、意識的に好意を噛み潰したことを鮮明に覚えている。


 自分の予想通り、転校した後すぐにあの子のことを忘れることができた。




*六年生へ続く前に番外へ

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