小学校二年生


 とまぁ、二年生へ続くなんて書きましたが、これに関しては二年生だったか三年生だったか曖昧なんですよね。


 転校生が来たのです。そうです! 二年生(三年生?)になってようやく勝ち組イベントが来たんです!


 漫画やアニメの主人公は転校生に恋をして、様々な縺れや苦難を乗り越えていき、最終的には恋が――実るわけなかったんだよな。


 おそらく、好きだと勘違いした理由は一年生の時と同様、追加で転校生ということもあって気になったのだろう。


 その子とはあまり喋らなかった。当時の俺はその子が好きであると思っていたため、話しかけられなかった。


 ある日、友達が悪ふざけで俺がその子の悪口を言っていたと虚言を吐いた。すると、その子は俺の手首を掴んでハンマー投げのように回した。もう喧嘩して縁が切れてしまった友達だが、あの時はありがとうな。


 その一件から仲良くなっていくことはなく。ないです。それでまぁ、ロマンチストな俺は考えるのですよ、"告白"を。


 折り紙の白い部分に『好きです』と四文字。差出人が誰であるか知られたくない心理が働いてか、名前を書くことを躊躇いました。しかし、それでは告白の意味がない。葛藤の末、紙の端っこに薄く書くという何とも残念なことをしてしまいます。


 さて、次にどうやって渡すか。靴箱にでも入れればよかったんですけど、その考えがなかったのでしょうか。それとも、ロマンチストがロマンチストしてしまったのでしょうか。机の中にぶち込みました。


 友達に協力してもらい、休み時間に教室から人を追い払い、その間に机の中におらよって感じで入れました。


 授業が始まり、その子は教科書を取ろうとして、謎の紙が入っていることに気が付きます。不思議そうな顔で四つ折りの紙を開き、中を確認します。授業中であるというのに、その子の席付近から多数の視線を感じました。


 ちなみに、返事はありませんでした。


 この後は特に何も変わりのない日常を送りました。




*四年生へ続く

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