第5話リア充VSリア獣①
それから数十分後、最寄駅に着いた。着いたのだが…
道中はたわいもない会話をしていた。
これからどこに行く?とか、昨日の電話のやり取りの後何してた?とか。
そんな何気ない会話をしているとだんだん紗央莉さんが不機嫌になっていることに気づいていたがスルーして今に至る。だって聞く方が怖いもん!
触らぬ神になんとやら、って言うし…
そして紗央莉さんが突然ジト目で
「あのさぁ、まず初めに何か言うことあるんじゃないの?」と言った。
はて?何かしただろうか?うーん、恋愛経験皆無の人間には何も思い当たる節がない。
すると突然、紗央莉さんがクルッと一回転してこう告げた
「普通、褒めるでしょ!服装とか今日いつもより雰囲気違うねとか!」
あ、ヤバいメチャ怒ってる。何か気の利いた一言でこの場の雰囲気変えないと。なんていう?何が正解で何が不正解?
ええい!ややこしい!こうなったら勢いに任せるしかない。
「紗央莉さんが綺麗で可愛いなんていつもの事じゃん。でも今日は、い、一段と綺麗、です…」
あっ、紗央莉さんが下を向いてプルプル震えだした。これは地雷踏み抜いたわ…
「ふ、ふふふ、そう?ホントのホント?」
「うん、ホントのホント」
「ふ〜ん、まぁ、特別に許してあげる。でも次は無いから。」
チョロい。チョロすぎるよ紗央莉さん…
そしていきなり腕に抱きついてきた。むにょっと今まで味わったことの無い幸せな感覚が腕に伝わってくる。そして甘い彼女の匂い。
「うんうん、キミ、照れてるでしょ?」
と自虐的な笑みを浮かべながらさらに強く抱きついてくる。
「紗央莉さん!駅に着いたんだし目的の場所に行こうよ!」と早口で照れを隠しながら呟いた。
「うん!そのクソダサい服装を私が私好みのステキなコーディネートにしてあげるからたのしみにしててね!」
…改めてこの人、本当に俺のことが好きなのだろうか?
「早く行こ!時間は有限だよ!」
そう言って目的地であるお洒落な服屋(紗央莉さんの行きつけの店)まで腕を引っ張られながら目指すのであった。
ぼっちな俺とメンヘラ彼女の紗央莉さん AMポカリ @tori_28
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ぼっちな俺とメンヘラ彼女の紗央莉さんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます