第2話 交友関係は広いに越した事はない
あのやり取りがあった後で授業など耳に入ってくるはずがなく俺の脳内は疑問で埋め尽くされていた。
そもそもなぜ俺に声をかけてきたのか?なぜ彼女は俺の事を知ってて接触してきたのか、なぜ彼女はあんなに可愛いのだろうか。少なくとも俺は知らなかったぞあんな美少女。しかも人生初!異性のLINEを交換した!俺にとってはビッグイベントだろあれは。いや、全国のスクールカースト下位の皆さんでもあれは普通のイベンドなのだろうか?などと考えていたら授業の終了を知らせる鐘が鳴った。
周りが騒がしくなるのは当然だろう。だって今日は金曜日なんだから。金曜最期の授業を終えて帰宅する組、仲のいいグループに分かれて「この後どうする?遊んでく?」などのやり取りが聞こえてくる。そんな中、俺の数少ない友達の1人佐々木修二に授業前の出来事を相談がてら伝えようと思い、声をかけに行った。
佐々木は俺とは正反対のキャラでスクールカースト上位、クラスでも中心人物のリア充だ。そんな佐々木とは幼馴染ということもあり良くしてもらっている。ぼっちの俺を気遣ってくれる優しい奴なのだ。
そういうところもあるから人気なんだろうな多分。「なぁ、ちょっといいか?」声をかけたら仲のいい人達と話してるのにもかかわらずニコニコ笑顔で「うん、いいよ」などというもんだから思わずときめきそうになった。ちょっとごめんね、と話していた連中に言ってから、「場所を変えた方が良いかもね、とりあえず移動しようか」と配慮するあたり、こういう何気ないフォローがこいつの凄いところで見習おうと思ってもなかなかできないものだとも思った。
俺は事の成り行きを一つずつ話した。そうして、「ふむふむ、難しいなぁ〜乙女心までは流石にわからない。」などといった。「いや、お前のことだから何か分かると思っていたけどお前でもわからないのか?」「あぁ、だって紗央莉さんの行動が読めないからね、正直罰ゲームか何かの方がよっぽど分かりやすかった。」だよな、当事者の俺もわからないんだからわらかない方が当然。「じゃぁ紗央莉さんってどんな子なの?俺、顔も名前も知らなかったけど佐々木は元々知ってた?」
「うん、知ってるも何も成績優秀、スポース万能、容姿端麗、完璧な美少女として有名でしょ彼女は」
あれ、うちの高校のぼっち界の皆さんも知っていたのだろうか、嘘だろ、だとしたら俺どんだけ悲しい奴なんだよ。まぁ、知らないよね俺と同じ世界で生きてるんだから!
「だから尚更よくわからないんだよ、よりにもよって和雄にいきなり声をかけて好きな人がいるのか聞くなんて。もっと別の人に同じ質問をかけるならまだしも和雄にって…」
「お前ナチュラルに人を傷つけるのが玉に瑕だぞ」ハハハ!と爽やかに微笑む所がまたずるい…俺がやったらきっと「何あいつ、すげー顔してる」的な事になるわ…
「とりあえずLINE交換したのなら相手から何かしらのメッセージが来るんじゃないかな?」
「あぁ、そうだよな、自分からメッセージ送る必要はないよな」
「えっ?自分から送ろうとしてたの?笑ウブだねーーー」あっ、俺そろそろ戻らないとじゃあねー何かあったら連絡よこせよーと言いながら先ほど抜けてきたグループの中に戻っていった。
「はぁーまぁ、とりあえず家に帰るか」
これ以上学校に残ってもやる事などないのでとっとと帰る事にした。
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