教師陣が新年会で闇鍋をする話②

 薄暗い室内で大の男が四人、鍋を囲んで硬直していた。

 ぐつぐつと、ガスコンロの上で今もなお温められている鍋からは、妙な甘ったるさの中に獣臭さが混じった異臭が放たれ続けている。

 せめて冷めることがあれば、臭いも多少マシになるのでは? と、誰もが思ったが、庶民の行事という事で、わざわざガスコンロまで用意したエルファナの周到さが恨めしい。

 なお味については、冷めてようが熱かろうが不味いものは不味いと諦めている。


「ディー、腹減ったろ? 食えよ」


 アーサーがソルディオ幼馴染の手に、菜箸を握らせた。

 そして、ベースの鶏ガラスープについて如何に手をかけて調理したのかを熱く語る。口の達者なアーサーが語ったスープは、それはそれは美味しそうで食欲を誘う物だったが、


「……オレにだって選ぶ権利はある」


 飢餓状態じゃあるましと、と素気無く断られた。

 大食漢で味を気にしないあのソルディオですら、手をつけようとしないとは……以前食事を共にしたリベルが密かに戦慄する。


「…………」


 誰も一言も発さず、時間だけが無為に流れた。

 

「ねぇ、いい加減始めてくださる?」


 そんな中、少し離れた場所から苛立ちを隠さないエルファナの声が響いた。

 どうやら進展のない状況に飽いてきたようである。


「申し訳ございません。エルファナ理事長」

「そうだネェ、睨み合ってても仕方ないよネェ」


 素直に謝罪するリベルと、話し合いを進行させようとした氷雨に対し、


「……食わない奴がよく言うぜ」

「るせぇ、お前は黙ってろ!」

 

 うっかり不平を漏らしたソルディオが、アーサーに叩かれる。


「ソルディオ? 何か言ったかしらぁ?」

「イイエ、ナンデモアリマセン」


 ウチの上司のパワハラが酷過ぎる件。なんて、現実逃避を始めたソルディオを見て、氷雨が一つ提案をした。


「此処はサ、年功序列ってコトでェ、一番年上の人から行こうヨォ」


 ハッキリ言ってこの状況で年功序列などと言うのは、全くの意味不明だが、


「おっ、良いじゃねぇか。そうしようぜ」

「……ああ」


 アーサーとソルディオは賛同を示す。

 しかし氷雨の暴論に承服しかねるリベルは、文句を言おうと口を開いたが続く氷雨の一言に防がれてしまった。


「じゃあハイ、そるセンセどーぞォ」

「……? オレより氷雨の方が歳上だと記憶してるが……」

「えェー嫌だなァ。俺は永遠の十八歳だヨォ?」


 きゃぴ☆っと効果音が似合うような、自撮りする若者風の上目遣いを決め込む氷雨。

 その様子に、


「二十もサバを読むとは、恥を知れ」


 気色悪い。と付け加えるのも忘れずに、リベルは侮蔑を示した。


「やめてヨォりべるクン。計算も出来なくなっちゃったのォ?」


 ボケるにはまだ早いヨォ。なんて氷雨も負けずと応戦する。

 


「ねぇ、あなた達」


 二人の舌戦を眺めるのも楽しいが、より場をかき乱そうとエルファナが話に割り込んだ。


「つい先日秘密裏に、『校内で一番年上だと思う先生は誰?』なんてアンケートを取ったのよぉ。そしたらねぇ? ふふ、一位はソルディオだったわぁ」


 思い出し笑いをしながら告げられたその言葉に、アーサーと氷雨も釣られて膝を叩いて爆笑する。


「くっ、ふは! マジで? お前が最年長に見えるとかウケるんだけど。老けて見られ過ぎじゃね?」

「あははははッ! やっぱり最初はァ、そるセンセじゃなあい?」

「……笑いすぎだぞ。アーティ、氷雨」


 威圧するように、一等低い声でソルディオは抗議する。

 そこに、


「一番票が少なかったのは、リベルだったわぁ」

「……私が?」


 投じられた更なる爆弾に、リベルが驚き固まった。

 暗い室内でよく見えないが、今頃エルファナはきっと愉快そうに笑っている事だろう。

 そこまで考えて、ソルディオは語気を強めて彼女呼んだ。


「ファナ」


 突然響いた真剣なその声に、室内がシンと静まり返る。

 皆が落ち着いたのを確認したソルディオは、軽く咳払いをすると、今度は優しく語りかけた。


「そのアンケートと実年齢に関係はないだろう? ……早く始めて欲しいなら、引っ掻き回すような真似はやめてくれ」


 懇願するようにも聞こえる言葉。

 だけど殊勝な態度のソルディオに対しエルファナは「……つまらない男」と、吐き捨てた。


「お前なぁ……」


 これが漫画なら、ピキピキと血管が浮き出る効果音が出ていただろう。

 ブリザードが吹き荒れているかのように、寒くなる室内。

 そこに、


「私から始めよう」


 大きく溜息を吐きながら、リベルはソルディオから菜箸を受け取った。

 断じて、年下だと思われていた事が心外だったわけではない。ただこれ以上争い続けたところで、鍋の具材により味が滲みるだけだと判断したからである。

 それならいっそ、さっさと終わらせてしまう方が賢明だろう。


「藤杜氷雨の提案通り、年齢順で進める。よろしいか?」

「構わないぜ。進行役はこの俺様、アーサー・アイゼリッシュバウアーが務める」


 押しつけあっていた一番手が自分でないならと、氷雨とソルディオも特に反対意見を出さなかった。


「決まりねぇ。それでは、第一回闇鍋パーティを開催するわぁ」


 ようやくまとまった話し合い。

 その一部始終を見守ったエルファナが、満足そうに開催を宣言して席を立つ。


「さあ、存分にわたくしを楽しませなさい?」


 始まるまでに随分とかかってしまったが、これでようやく事態は進展した。




【闇鍋パーティ 一巡目】

 〜リベルのターン〜


 薄ぼんやりと見える鍋の中に、リベルは菜箸を突き入れる。

 足掻いたところでどうせ逃げられないのだと、腹を括って真っ先に箸に当たった何かを掴み取った。


「ルール説明の時にも言ったが、食べた時の感想と食材の予想を頼むぜ」


 その後一端部屋を明るくし、答え合わせをする段取りになっている。


 ちなみにエルファナは、隣室で監視カメラ越しにこちらの様子を楽しむらしい。しかも、台無しにされる前の鶏ガラスープを片手に。


「いただきます」


 リベルがそう言うと、皆が黙り込んでその様子を見守った。

 普段から威厳のあるリベルは一体どんなリアクションをするのか? 誰もが期待をする中、


「……っ」


 謎の物体Xを口に運んだリベルの動きが止まる。


「甘い……芳醇な鶏ガラスープが、様々な雑味によって掻き消されている……」

「えェ、すーぷ飲んでるのォ?」

「いや、その様なスープを多分に含んだ何か……スポンジでも食べているような気分だ……」


 そして沈黙。

 これ以上答えが出ることはないと判断したアーサーは、鍋の蓋を閉じながらリモコンで部屋の電気を付けた。


「さあて、スポンジだと思われたリベル殿の食材は?」


 そんな掛け声と共にリベルの取皿の中を覗き込む。そこには、溶け残ったチョコレートの様な物と謎の白い物をまとった油揚げが一枚入っていた。


「あははッ〜ソレ俺が持ち込んだ食材だネェ!」


 油揚げを指差して、氷雨は笑う。

 汁を吸い込む事で不味くなる事間違いなし! 闇鍋のために用意された悪意百パーセントの食材である。


「へぇ、良く引いたな。ラインナップの中じゃ一、二を争う外れ食材だ」


 調理を担当していたアーサーがそう言うと、「闇鍋の定番食材でショ?」と氷雨が悪い顔をする。


「まあな。リベル殿は運が無かったと諦めて、残りの油揚げも頑張ってくれよ」


 そして再び暗くなる室内。

 電気が消される直前、慰めようとしたソルディオは、唯一遠い目をするリベルに気がついた。




「んじゃあ、次は氷雨殿の番だぜ」




 〜氷雨のターン〜


「どれにしようかなァ〜」


 唯一闇鍋をすると知りながらやって来た氷雨が、菜箸を遊ばせながら鍋の蓋を開ける。


「一度触った物を変えるのはなしだぜ」

「分かってるヨォ……っと、コレだ!」


 始終楽しそうにする氷雨は、暫く迷うフリをした後サッと鍋に箸を突き入れて、何かを取り出した。

 そして、躊躇いもなくソレを口に入れる。


「いただきまァす。もぐもぐ……」


 わざとらしく効果音まで再現して、数秒。

 やはり周りが黙って様子を見守っていると……


「うっへェ、不味いネェ……コレ……」


 予想以上にげんなりした氷雨の声が聞こえてきた。


「りべるクンさァ……甘い以前に言う事あるよネェ? それとも何、味覚音痴なのォ?」

「ふん、貴様に全て教える義理もあるまい」

「何それェ、感じ悪い〜」

 

 どうやらリベルが重大な味を一つ隠蔽していたようだ。

 不貞腐れる氷雨の態度に、ソルディオとアーサーは何事だと固唾を飲む。

 

「あのネェ、羊のごわごわした毛を鼻に詰められた様な気分になるヨォ」


 なるほど分からん。

 全くピンと来ない例えに首を傾げた二人だが、「誰からむ肉でも入れたァ?」の一言でようやく氷雨の言いたい事を理解した。

 ラム肉と言えば、無理な人も多いあの独特な獣臭さが特徴だろう。そしてその匂いはよく移る。

 鍋の蓋を開けた瞬間の激臭も、正体はおそらくそれだなと検討がついた。


「食べた物はネェ、多分菌類だと思うんだけどォ……猛烈な臭さの後にィ、甘いのと塩っぱいのが口の中に纏わり付くネェ……後なんか苦い……」

「キノコを菌類って言うの辞めないか?」

「あははッ、だってその方が不味そうでショ」


 げんなりしてた割には余裕そうな氷雨の証言が終わり、室内の電気が明るくなる。


「うわァ、コレ松茸じゃん」

「ファナが用意した食材だ。国産の高い奴だぜ、しっかり味わえよ」

「えェ……」


 まさかの高級食材に、流石の氷雨も微妙な顔になる。

 どうせなら普通に食べたかった。

 余計な物さえ入っていなければ、鶏ガラスープにだって合っていた。


「闇鍋に高級食材とか入れるかなァ、普通……」


 少しだけ悲しそうにボヤいた氷雨は、摘んだ松茸を一気に口の中に放り込んだ。




 〜アーサーのターン〜


「おい、ディー。変なもん取ったら承知しないからな」


 照明を落としながら、アーサーは声を低くしてソルディオを脅す。

 エルファナに暴言を吐いた罰で、自分の命運をソルディオが握るわけになったのだが、コイツに任せるとロクな事にならないんだよなぁと、内心気が気でない状態だ。


「……諦めてくれ、ファナにはなるべく不味そうな物を取る様に言われているんだ」


 そう言って、ソルディオは何かを載せた取り皿をアーサーに渡してきた。

 恐る恐る箸でその感触を確かめると……


 大きくて平べったくて硬い。


「………アッ」


 調理を担当したアーサーは、当然具材を全て把握している。そして、今目の前にある物はちょっと箸で突くだけで、見当がつくようなものだったのだろう。


 アーサーの口から悲痛な声が漏れた。


「なあ、ディー。順番交換しね?」

「ヤバいのか……?」

「あーまぁ、うん。今俺はちゃんと処理しなかった事を猛烈に後悔してる」


 だって、自分が食うとか想定してなかったし。

 まさかのしっぺ返しにアーサーは既に涙目だ。

 誰だよ手を抜いた奴は! 俺様だなっ!! チクショー!!


「……代わってやっても良いぞ」


 あまりにも打ちひしがれる幼馴染を哀れに思ったのか、ソルディオはアーサーの提案を飲むと言い出した。


「本当か!?」

「ああ……オレが先に食べるとしよう」

「やったぜ! じゃあコレを——」


 喜び勇んで取皿 with 劇物をソルディオに渡そうとしたところ、何故か阻まれてアーサーはキョトンとする。

 え、何々? お前が食ってくれるんじゃねえの?


「……まさか、オレの分はこれから取るぞ」

「は? 交代してくれるって!」

「順番だけな。進行役が先に倒れたら困るだろ……?」

「はああああああ!?!?」


 ソルディオの無慈悲な口撃! 

 アーサーに効果は抜群だ!


「ふざけんな! 期待させやがって!!」


 一瞬の内に天国から地獄へ突き落とされたアーサーは、変なもの引け! と全力でソルディオを呪った。




 〜ソルディオのターン〜


 ついに回って来たソルディオの番。

 アーサーから物凄く視線を感じつつも、ソルディオは鍋の中から小さな塊を摘み出した。


 全然一口で食べられそうなほど小さな物体だが、後の答え合わせのために、半分は残そうと控えめにかじる。

 その瞬間、ゴリっと何か硬い物が口の中で砕けた。


「良い音したネェ〜何を食べたのかなァ?」

「……肉だな。恐らく骨がついている」


 ゴリっ、バキッと音を立てながら、もぐもぐとソルディオはさらに考える。


「例のラム肉だが……これは、肉じゃなくてチーズだな? 確かシェーブルチーズヤギの乳のチーズ……」

「え、ディーが味を当てられるとか槍でも降るのか?」

「リベル殿に散々鍛えられたからな……」


 利きチーズを極めるため、来る日も来る日もチーズを与え続けられた日々。

 今となっては笑い話だが、ソルディオにとってはトラウマになりかけた恐ろしい出来事でもある。

 

「えェ! じゃあこの悪臭の犯人はりべるクンだったのォ!?」


 問い詰めようとする氷雨に対し、全く悪びれもせず「そうなるな」とリベルは返した。

 招待状に書かれた通り、好物を持参したまでだ。非があるとすれば、招待主のリサーチ不足では? というスタンスである。

 

「いや、シェーブルが来るとは思わねぇだろ。しかももう一品はトリュフチョコだし」


 好物がチーズなのは知っていたが、鍋のアクセントにしようとしただけなんだ……とアーサーは項垂れた。


「んで、お前は結局何を食ったんだ?」


 大方予想はついているが、闇鍋進行のためソルディオに食材予想をたずねる。


「……肉自体の味はよく分からないが、食えなくもない。食感だけで当たりをつけるならまあ……鳥の手羽先じゃないか?」


 照明がつけられる。


「……そうか、カエルだったか」


 取皿に残った肉塊を見て、ソルディオが感慨深く呟いた。


「はァ? 反応それだけェ?」


 不満の声を上げた氷雨に、ソルディオとリベルが「やはりお前のか……」と思う。


「来る時池で俺が捕まえた蛙なんだヨォ? そうか……で終わらせるとかァ、空気読めって感じだよネェ?」

「カエルは食えるぞ……?」

「知ってるケド? 虐めてるんだからさァ、嫌な顔の一つでもしろって言ってんのォ……これだからそるセンセはッ!」


 余程不満に思ったのか、氷雨はブツクサと嫌味を言い続ける。

 リアクションが薄いなんて文句を言われても、ソルディオからすれば「普通に食えるんだから仕方ないだろ……」である。


「あーハイハイ。そるセンセに面白い反応を求めた俺が馬鹿だったヨォ」





 〜アーサーのターン2〜


 氷雨とソルディオが揉めたおかげで、室内の空気はすっかり悪くなってしまっていた。

 このまま解散の流れにしてやろうなんて、アーサーが密かに企んでいると——


『何をしているのかしらぁ? 最後はアーサーの番よ』


 カメラの横に設置されたスピーカーから、エルファナの声が響く。


「えっ、もうそんな空気じゃなくね?」

『一度箸をつけた物は食べきるのがルール。貴方だけ逃げられるはずもないでしょう?』


 そう言われ、アーサーは改めて自分以外の三人に目を向ける。

 いつの間に食材を食べ切っていたのだろうか。リベルは口直し用のコーヒーを無心で飲み続け、その隣で氷雨は日本酒を呷っていた。

 ソルディオはと言うと、顔色一つ変えずにカエルを骨ごと食べている最中だ。


「お前らさぁ、趣旨わかってんの? 痩せ我慢大会じゃないんだぜ今回!」


 今まで触れないでいたが、ついに我慢の限界が来たアーサーは叫んだ。


「ファナを楽しませるために、リアクションをする会じゃねぇの? なんでどいつもこいつも涼しい顔をしてんだよ!」

「落ち着くんだ、アーティ……叫んだところで状況は変わらない」

「アーサー殿が我々の分も、理事長様を楽しませてくださるのでしょう?」

「そもそもォ、どSにどSを楽しませる りあくしょん ができるはずもなかったよネェ?」


 切実なアーサーの訴えだが、誰も取り合ってはくれず、思い思いに「はよ食え!」と言外に圧を掛けてくる。

 こうなったら、自分の食材がせめて思っていたものと違っていてくれと、アーサーは自分の取皿に視線を向け……膝から崩れ落ちた。


 ソルディオの答え合わせから、消さないままでいた照明が映した皿の中身はアロエだった。

 しかも緑の硬い皮がついたままの、アロエだった。

 それは果肉だけならば大した味はしないのだが、その皮には独特の苦味があって、アーサーがハズレ食材としてあえて処理せずに投入した代物だ。


 間違いなく全品の中で一番食べたくない物だった。


「あははははははッ! それ俺が持って来た奴!」

「また貴様か」

「……頑張れ」


 今はただ、他人事のように楽しむ三人が恨めしい。


「ああっもう、クソッ!!」


 暫くアロエを睨み付けていたアーサーだが、やけくそに叫ぶとついにアロエを口に入れ——


「ゔっ……ぉ……ぇ……」

「吐くなら袋にしろよ?」

「る、ぜぇ……」


 見る見る顔色を悪くして、口を抑えて悶え出した。


「おぉ……あ"、っ……ぇ……」 

「どんな味だ?」

「み、み……み、ゔぅ……」


 一応ルールなのでソルディオはアーサーに味をたずねたが、返ってきたのは掠れた呻き声だけで、


「む、りぃい"ぃい"ぃぃ……!!」


 仕舞いには、そのまま部屋から飛び出して消えてしまった。


 尋常ではないアーサーの反応に、残された三人は化け物でも見るような気分で残されたアロエに視線を向ける。

 と、そこで——


『十分楽しんだしもう良いわぁ。食堂へいらっしゃい……口直しのディナーを用意させたわ』

 

 エルファナから闇鍋パーティの終了を告げられた。

 二巡する予定だったが、不幸にも進行役が脱落してしまったのでお開きにするらしい。

 

「いやァ〜これ以上はキツかったから良かったネェ!」

「貴様の食材のせいだろう……」

「いやいや、りべるクンのォ ちーず も戦犯だからネェ?」

「……アーティの仇を討つべきか?」

「えッ、なんでその あろえ を持って近寄って来るのォ?」


 究極のストレスから解放された男達は、ワイワイと騒ぎながら食堂へと向かう。

 その日、戦線を離脱したアーサーが帰って来ることは無かったが、口直しのディナーで舌鼓を打った三人は満足して帰路へと着いた。


 ちなみにリアクションの勝敗については、途中でお開きにしたため無効試合となった。





 〜それぞれが持ち寄った食材リスト〜


 運営: 松坂牛、タラバガニ、松茸、鶏ガラ

 リベル: シェーブルチーズ、トリュフチョコレート

 氷雨: カエル、アロエ、油揚げ

 ソルディオ: クリーム、カルパス、あんぱん


 *闇鍋は、その後ソルディオスタッフが責任を持って完食しました。

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