第33話 時は満ちた
『残念ながらこれから行われる作戦では私の助けは期待出来ない。此方も此方で組み立てなければならないプログラムが無数にあるのでな。……信頼しているぞ、レディア。』
「ハードル上げてくんじゃねぇよ馬鹿!!」
数週間前、依頼でサラマンダーを捕まえなければなかった時以来のハッキング。
ツチノコとクロノスの補助の元、彼らが見つけた最短ルートをなぞりながら邪魔をしてくる防衛プログラムを悉く破壊していく。
くっそ、やっぱり特殊個体の中でも更に特殊個体のロキは防衛プログラムの桁が違う……!!
『だ、大丈夫、僕も、僕も得意ではないけどハッキング手伝うから!!』
『、流石に多いな。レディア、ウイルスは全部俺が弾くからハッキングに集中してくれ。』
「言われなくてもハッキングしかする余裕ないっての!!」
ちらり、とデュアルモニタの片割れを見れば幾つものウィンドウが開いたり閉じたりを繰り返し、見た事のない言語や見た事のない記号が右往左往している。それも、私のハッキングよりも数倍も早く。
ラグナロク、本当にお前は何をしてるんだ……?
『や、やっと数減ってきたな。』
『さ、流石に俺も疲れてきた……。』
『……。』
ニルヴァーナ?
『……ねぇ、ラグナロク。』
『……。』
え、な、何で反応しないんだ、ラグナロク。
『貴方……な、何で、何で強制結合プログラムと自立崩壊プログラムを組み立ててるの?』
……は。
―――後は俺がやる
……。……まさか。……ぃや、いや、いやいや。嘘、嘘だろ?
『っ、流石に俺のスペックじゃレディアの防衛をしながらラグナロクの解析を行うのは無理だって……!!』
『……まさか、ラグナロク。お前、最初から死ぬ気だったんだな!!?』
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