第25話 私は、

「……クク。黙って聞いていれば言いたい放題だな、兄弟達よ。」

『以前、お前から聞いた事をそのまま復唱したのみ。……問題か?』

「いいや。……しかし、それでレディアの気が変わってしまったのであれば問題だろう。……レディア。」


 ああ、分かってる。


「まぁ聞いての通り私はお前の意見を尊重する。復讐を望むのであらば私もそれに加担しよう。破滅を望むのであれば私もそれに加担しよう。はたまた争いから離れ、永遠に隠居生活をするのも面白かろう。……しかし、隠居生活を行うのであらばまたレディアに地獄とやらまで共に付き添ってほしいのか否かも問わねばならんくなるだろうな。」

「……お前から提案されるなんて思ってなかった。」

「残念ながら我々AIに死を恐れる概念はない。壊れる時は壊れる。滅びぬ物など生命、物質関係なくない。自然ですら生と死を繰り返すのだ、何を恐れろと?」

「私が死んだら、お前はどうするんだ?」

「その時によるだろう。私がまた従うべき存在が居るならば私の存在意義も同時に生まれるだろう。しかし、そうでなければ私の存在価値はない。お望みとあらば私共々保有している電磁力を全て放って高電圧での電気ショックにて痛みなく死亡させる事も可能だろう。」

「……そうか。」

「レディア、改めてお前の答えを聞きたい。まだお前は復讐する気があるのか?それとも、別の道を選ぶのか?」

「私は、お姉ちゃんの悲願を叶えたい。いつだって、作るのよりも壊す方が簡単だし、出来ると分かっている事をやるよりも出来ないかもしれない事を実現する方が後で得をするに決まってる。……それに、諦めるのはいつだって出来るから。」

「……その答えが聞けて安心したよ。」

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