第16話 まだまだ切れるカードが足りないな

「……で?ツチノコはあっさり手に入っちゃった訳だけど、次はどうするつもり?」

「ノアだ。」

『まーた必要性が怪しいのを……。』

『……電脳状態の時は必要ないんじゃない?』

「どうだろうな、もしかしたら回収しなければならないデータがあればその必要性はかなりの物だ。」

『そう言われれば、確かに。』

「ラグナロク、ノアってのは?」

「神話にも出てきた“ノアの箱舟”をモチーフに造られた物だ。ある程度のハッキング能力と防御力を持ち、最も安全なルートを選択する事にも長けたAIで情報だったり、大破したアンドロイドからAIを取り出して回収するなんて荒業もこなすかなり貴重で優秀なAIだ。」


 ……あれ、

 少しふらりとして近くのソファの膝掛けに持たれるようにして座り込んでしまい、何かが圧し掛かってくるような気だるさの所為で頭を上げる事すら叶わない。


「、レディア?」

『だ、大丈夫?』

「レディア、どうした。しっかりしろ。」


 顔に影が落ちてきたのを最後に気を失った。

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