第15話 盾と矛は揃ったけど

「それで?最強の矛と盾なんだろ、彼ら。次は何を?」

『……まぁ、幾ら最強の矛と盾つったって俺とイージスで戦いに掛かってもラグナロクには勝てないけどな。』

「次はツチノコを引き込む。」

『ツチノコ?あいつ、何の役に立つんだ?』

『私も同意しかねるわね。あれはいつも逃げ回ってるだけじゃない。』

「ラグナロク、ツチノコって?」

「検索やハッキングに特化したAIだ。唯一アンドロイドを持つ事を異常な程に拒み、逃げ足もかなり速い。“あ、居た”と思った時にはもう既に居なくなっている。」

『それ故に見つける事は出来ても話す事も追い駆ける事も捕まえる事も出来ないのよ。……っと言うか、あいつにも持ち味あったのね。』

「勿論AIだからな。何の目的もなく生成されたAIなど居ない。……まぁ、」


 すっと別のPCの方を見るラグナロク。

 ……え、まさか


「なぁ、ツチノコ。そこに居るんだろ?」


 電源が落ちているはずのPCの電源が点き、操作もしていないのにロックが外れ、都市伝説によく出てくるツチノコの姿のそれが居る。


「……あぁ、また私のPCが。」

『ご、ごめんなさい人間さん。つ、つい最近ここを見つけて、あんまりにも安全だからい、居着いちゃって。ご、ごめんね?』

「流石だな、ツチノコ。私でも見つけるのにてこずったここを用意に見つけるなど。」

「……!そう言われれば確かに。」

『だ、だって僕、それぐらいしか出来ないから……。』

「ではツチノコ、次に私がしたい話も分かっているな?」

『うん。仲間……だよね。良いよ、協力する。でも、僕、戦闘とかは無理だからね。』

「大丈夫だ。お前にしてほしいのは発電所の的確な位置の演算と特定だ。……今の所はな。他のAIの捜索にも手を貸してもらう事になるかもしれん。」

『な、何だその程度か。じゃあ……良いよ。僕で良ければ。』

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