第19話 こんな俺でもこいつの為に何かしてやれるのか
「毎度あり!」
「また来いよー!」
「さ、次何処行くか。」
そうさらりと言ってのけてはいるが蓮燔の両手は既に埋まってる。
「……何か持とうか。」
「ばーか、足の怪我悪化するだろ。」
「じゃあ、レイとか「街での使い魔の召喚は命に危機がある場合のみ許可されるんだ。不用意に出すもんじゃない。」
「……1度帰るか?」
「それじゃあ疲れちまうだろ?」
気遣ってくれるのは嬉しいが、こうも負担を掛けるのは何処か嫌だ。……あ。
昨日読んだ日記の中にあった収納魔法を思い出して宙に蓮燔が持ってる袋をそのまま放り込んでも余裕があるくらいの円を描けばそこだけ異次元に繋がっているようなカラフルな窓が現れる。
「蓮燔、ここに入れるか?」
「え、お前、いつの間に収納魔法を……。」
「お前が昨日夕飯作ってくれてる間に、部屋の本で。……ほら。」
「帰ったら教えてくれよ。」
「え、知って……そうか、知ってたら持たないな。」
「俺、支援魔法とか回復魔法ばっかり勉強してて、他の魔法には詳しくないんだ。」
……こんな、こんな今の記憶喪失の俺でもこいつの為に何かしてやれるんだ。
「……他にも幾つか面白いのあったから教えてやるよ。」
「お、やったね!あ、でもあんまり魔法の乱発はするなよ?」
「……何で?」
「まだ万全じゃないんだ、お前は。何かの拍子に体調を崩されたら俺の心臓が保たねぇよ。」
「……じゃあ、気を付ける。」
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